若者「日本が好き」、親「グローバルに活躍を」ギャップあらわに
2013年7月24日 17:54
将来は慣れ親しんだ日本を離れたくない若者と、グローバルに活躍することを期待する親。
小中高生向けのグローバルリーダー育成機関「IGS」とアサツーディ・ケイが、学生(高校2年と大学3年生)と小学生から高校生の子をもつ親にアンケートを実施したところ、「将来は海外に出てグローバルに活躍したい」という学生は36.2%で、「グローバルに活躍してほしい」という親の期待55.7%を下回る結果となった。
若者が海外へ出て行きたくない理由のトップは、「他国の人とのコミュニケーションが不安だから」で45.5%。次いで「日本にいられなくなりそうだから」「異文化交流に不安があるから」「日本人を相手にした仕事がしたいから」と続く。
今の若者はグローバルに活躍することを恐れているのだろうか。だがしかし興味深いのは、2位の「日本にいられなくなりそうだから」や4位の「日本人を相手にした仕事がしたいから」。
内閣府の「世界青年意識調査」によると、「あなたは将来もずっと今の地域に住んでいたいと思いますか」という問いに対し、日本の若者が「住んでいたい」と応える割合は43.5%で、調査開始以来もっとも多くなっている。また、今住んでいる地域(市町村)が「好き」な若者は9割にのぼり、前回調査よりも増えている。日本の若者は海外で活躍したくないというよりも、日本=自分の住んでいる地域が好きなのである。
一方、親世代は事情が異なる。彼らが青春を過ごしたのは80年代。グローバルに活躍するどころか海外旅行の費用も高く、外国は今よりも遠い存在だった。85年のプラザ合意で円高が進んで以降、そんな若者たちの多くは大挙して海外旅行や語学留学へ出かけて行った。彼らの目に外国、特に欧米はとても魅力的に映っていただろう。
そんな親とは対照的に、グローバル化が進んだゼロ年代の若者たちにとって海外の魅力は薄れている。だからこそ自然に、自分が住んでいる地域=日本への愛着を深めているのだろう。「将来は海外に出てグローバルに活躍したい」という学生が36.6%というのは、今の若者の気分としては妥当な数字かもしれない。(編集担当:北条かや)