武装強化が進むアメリカの警察官
2013年7月23日 14:13
taraiok 曰く、 米国では警察官の武装化が進んでいるそうだ。軍隊での装備や戦場で蓄積された運用方法が取り入れられ、警官と兵士の間の境界線があやふやになりつつあるという(Wall Street Journal、本家/.)。
とくに特殊攻撃隊であるSWATの武装強化は顕著だという。こうした武装強化の背景には、麻薬との戦いや9.11以降のテロ対策などにより、米国内の犯罪が凶悪化していることにあるそうだ。
SWATによる「ドアをぶち破って犯罪者を攻撃する強襲作戦」は年々増えている。ケンタッキー大学の犯罪学者Peter Kraska氏の調査によると、1970年代には年間数百件であったのに対し、1980年代前半には年間3000件、2005年には約50,000の襲撃が行われたという。しかし、その中には積極的なSWATスタイルの襲撃作戦が増えたことにより、不必要な被害を出した例もあるという。
1月に発生したユタ州軍に所属していた元軍人Matthew David Stewart氏による事件もその一つだ。Stewart氏はマリファナ栽培の容疑で警察による強襲を受けたが、彼自身は強襲した警察を強盗だと勘違いして反撃した。その結果、警官のうち1名が死亡、6名が負傷する被害の出る結果となったという(罪の意識を感じたのかStewart氏は5月に刑務所内で自殺した)。WSJの記事ではこのほかにもSWATスタイルの襲撃作戦により、数々の不必要な犠牲が発生していることが指摘されている。
本家記事では、SWATスタイルの襲撃は武装犯罪者に対する防御のためだけでなく、犯罪者に対する軍事的な脅迫戦術の意味合いが強くなっており、問題が把握するまでにどれだけの血が必要なのかとまとめている(Stewart氏の事件記事、Stewart氏の死亡記事)。
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