川崎重工、英ロールス・ロイス社の最新鋭旅客機用エンジンの開発・生産に参画
2013年7月11日 14:14
川崎重工業は11日、英ロールス・ロイス社と、最新鋭旅客機用エンジン「Trent 1000-TEN」および「Trent XWB-97」の開発・生産に「リスク&レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」方式で参画することで契約を締結したと発表した。なお、「RRSP」方式とは、エンジンや補用部品の販売・修理事業などのあらゆる収入をプログラムシェアに応じて配分を受ける権利がある一方、開発・量産・販売に関する全ての費用とリスクをプログラムシェアに応じて負担する契約方式のこと。
「Trent 1000-TEN」は、米ボーイング社の最新鋭旅客機「787-8/9 Dreamliner」に搭載されている「Trent 1000」に新技術を盛り込んで燃費性能を向上し、推力を増強した派生型エンジンで、今後「787-8/9 Dreamliner」に順次搭載される。また、現在開発中の新型旅客機「787-10 Dreamliner」(「787-8/9 Dreamliner」の長胴型)への搭載も決定している。
一方、「Trent XWB-97」は、仏エアバス社が開発中の最新鋭旅客機「A350-800/900」に搭載される「Trent XWB」の推力を増強した派生型エンジンで、エアバス社が計画している新型旅客機「A350-1000」(「A350-800/900」の長胴型)へ独占的に搭載されることが決定している。
川崎重工は、今回の開発・生産プログラムで、既に開発・生産を進めている「Trent 1000」および「Trent XWB」に引き続き、中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計・製造・組立を担当する。IPCモジュールは、エンジンを構成する8個の主要モジュールの一つで、直径約1.5m×長さ約1.5m、部品数約4,000点で構成され、西神工場(神戸市)の最新鋭の加工設備と組立システムにより製造される。
川崎重工とロールス・ロイス社は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防需航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で緊密な協力関係を築いている。特に、旅客機用エンジンの分野では、ロールス・ロイス社の「RB211」(ボーイング 747/767用)、「TRENT 700」(エアバス A330用)の両プログラムにRRSP方式で参画以降、同社の全ての大型旅客機用エンジンプログラムに参画している。