【アナリスト水田雅展の銘柄分析】マーベラスAQLは大陽線で上放れ、高値奪回へ始動、業績絶好調

2013年7月11日 09:35

 総合エンタテインメントのマーベラスAQL<7844>(東1)の株価が動意付いてきた。10日(水)は4350円高と大きい陽線となってモミ合いを上放れてきた。高値圏回帰の展開が期待されるだろう。

 11年10月にマーベラスエンターテイメント、AQインタラクティブ、ライブウェアの3社が統合し、オンラインゲーム開発などのオンライン事業、家庭用ゲーム機向けゲームソフト開発などのコンシューマ事業、アニメ映像商品やミュージカル公演などの音楽映像事業を展開している。総合エンタテインメント企業として、話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んでいる。13年1月にはゲームソフト開発のエンタースフィアを子会社化し、3月には米社からオンラインゲーム事業を事業譲渡によって取得した。

 今期(14年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比13.8%増の200億円、営業利益が同24.5%増の29億円、経常利益が同24.3%増の28億90百万円、純利益については税負担正常化で同7.8%減の17億70百万円の見込みとしている。

 コンシューマ事業は、前期好調だったニンテンドー3DS向けソフトの一巡などで反動減となる見込みだ。ただしオンライン事業では、主力の「ブラウザ三国志」などが堅調であり、モバイルゲーム分野で新たな柱となるタイトルの立ち上げに注力するとしている。さらに音楽映像事業では、主力の「プリキュア」シリーズやミュージカル「テニスの王子様」などが堅調な見込みだ。好業績が期待されるだろう。

 なお5月24日に株式分割と単元株制度の採用を発表している。9月30日を基準日(効力発生日10月1日)として1株を100株に分割し、単元株数を100株とする。このため株式分割後の配当予想は年間12円(期末一括)となる。

 株価の動きを見ると、6月7日の安値3万1950円をボトムに反発し、その後は概ね4万5000円近辺でモミ合う展開だったが、7月10日は前日比5500円(12.11%)高の5万900円まで急騰する場面があった。下値固めが完了して出直り本格化の動きのようだ。

 7月10日の終値4万9750円を指標面(10月1日の株式100分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3311円19銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1200円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2万0006円82銭で算出)は2.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると75日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を一気に回復してきた。強基調への転換を確認して高値圏回帰の展開が期待されるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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