東芝、シンガポール鉄道事業者から永久磁石同期モーターシステムを受注

2013年7月4日 14:00

 東芝は4日、シンガポールの鉄道事業者であるSMRT(エス・エム・アール・ティ)社から、同社が保有する既存車両であるC151系車両396両の駆動システム更新向けに永久磁石同期モーター(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)システムを受注したと発表した。なお、今回のPMSMシステム受注は海外における初の導入事例となる。

 今回受注したのは、シンガポール国内でノース・サウス・ラインと呼ばれるジュロン・イーストからマリーナベイまでの約45キロを結ぶ路線、およびイースト・ウェスト・ラインと呼ばれるジュークーンからパシリスまでの約57キロを結ぶ路線を走行する既存車両に搭載するシステム。

 東芝が開発したPMSMと周辺機器を組み合わせたシステムを既存のシステムから置き換えることにより、従来のシステムと比較して30%の消費電力削減が見込める。まずは2015年初めに、試験運転車両として2編成12車両分の機器置換えを完了し、1~2年間の試験運用を経て残りの車両について順次置換えを実施していく。

 現在、鉄道輸送については、高効率や低雑音、省メンテナンス性などさらなる環境性能への要求が高まっている。東芝はこれまで、低消費で低雑音を実現したPMSMを採用した車両システムを開発しており、既に日本国内では東京メトロ千代田線、丸ノ内線、銀座線、東西線で採用されている。また、阪急電鉄神戸・宝塚線では今年秋以降運用が開始される予定。

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