シャープ、中国企業と液晶パネル工場を合弁運営 技術を供与
2013年6月27日 19:04
シャープは27日、中国電子信息産業集団有限公司(CEC)と液晶事業に関して業務提携すると発表した。
シャープは、南京市と南京中電熊猫信息産業集団有限公司(CECパンダ)が設立した液晶事業会社「南京中電熊猫液晶顕示科技有限公司」より第6世代液晶パネル生産プロジェクトを受注し、2011年5月より生産を開始している。その後順調に生産投入能力を拡大し、2012年末までに量産体制を確立している。また、同プロジェクトの受注時に、中国における液晶パネルの需要拡大に備えるため、第6世代液晶パネルの生産に続き、南京市およびCECパンダの親会社であるCECと第8世代液晶パネル生産の合弁事業について協議を進めていくこととしていた。
このような中、今回、戦略的パートナーであるCECにシャープが保有する高精細TFT液晶パネルならびにモジュール技術を供与すると共に、同技術を活用した第8.5世代液晶パネル・モジュールの工場をシャープの出資を伴う合弁会社として運営することに双方が合意した。
同合弁会社の名称は「南京中電熊猫平板顕示科技有限公司」で、資本金は175億元(約2781億円)。出資比率はCECグループが92%、シャープが8%となる。2014年3月に設立予定。
液晶パネル工場については、今年8月に着工し、2015年6月の稼働開始を予定している。マザーガラスサイズは2,200mm×2,500mmで、投入能力は月60,000枚。用途は主にテレビ向けとモニター、ノートPC、タブレット向けを想定しているという。なお、シャープは同工場が生産した価格競争力のある高付加価値液晶パネルを購入する権利を有する。
シャープはバリューチェーンの最適化によりアセットライトを志向する事業構造改革に取り組んでいるが、今回の取り組みは、技術開発は日本で、パネルの企画はユーザー・マーケットに近い国・地域で、生産はローコストのインフラなどが活用できる国・地域でそれぞれ行うなど、バリューチェーンごとの技術・人材・生産の最適な組み合わせによりグローバルでの競争力を高めるもの。シャープが有する液晶事業の先進技術と戦略的パートナーであるCECの高効率な生産技術などを組み合わせることにより、競争力の高い液晶パネル・モジュールを安定的かつタイムリーに供給する体制を構築し、液晶事業の持続的な成長を図っていく。