トルコのデジタル放送化に向け日立国際電気 現地進出

2013年6月23日 18:39

 トルコのイスタンブールといえば、このところ反政府デモの話題が多いが、紀元前7世紀に建設されたこの街は北部を金角湾、東部はボスポラス海峡、南部をマルマラ海に囲まれており、「歴史半島」といわれるようにさまざまな物語に彩られている都市である。

 イスタンブールは、ヨーロッパとアジアを結ぶ戦略的要所に位置するため、歴史上この都市を治めることは文明諸国にとってはつねに重要なことだった。そんなことから、ローマ、ビザンツ、オスマンのような大帝国もここを首都に定めたのだ。異なる宗教、文化、社会を内包する魅力的な都市である。市内の4つのエリアが世界文化遺産にもなっている。そんな歴史をもつイスタンブールだが、トルコは2016年をめどに地上波放送のデジタル化を計画しており、放送機器市場の拡大が見込まれるという。

 日立国際電気<6756>は、これまでブラジルで放送用送信機の製造子会社を設立するなど、グローバルでの事業展開を進めていたが、今回、中東における放送機器・システム事業の拡大に向けてイスタンブールに現地法人を設立した。まずは現地の関連企業などとの関係構築をはじめ、中東における放送機器・システム事業を強化するための放送用カメラや送信機の販売、保守・サービスの基盤づくりに取り組んでいくという。また将来的には、販売や保守・サービスだけではなく、トルコ国内のフリーゾーン(輸出型企業の奨励地域)において、開発や設計、製造を現地で行う地産地消型の事業展開を推進していくとのこと。

 同社はトルコだけではなく、ヨーロッパやアフリカ、中東における放送中継ビジネス市場の伸展にも注目しており、放送機器のシステムインテグレート事業などによる、トルコを基点としたEMEA市場への放送機器事業展開も視野に入れて、映像・無線ネットワーク事業のさらなるグローバル化に取り組んでいくとしている。

 世界三大料理の一つがトルコ料理である。立派な料理ではなく、手頃なケバブでも食べながら、トルコについて今一度考えてみるのもいいだろう。(編集担当:久保田雄城)

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