プレグレスM-19M補給船、アンテナの損傷が判明

2013年6月15日 15:30

  アメリカ航空宇宙局(NASA)は14日、先日国際宇宙ステーション(ISS)から分離したプログレスM-19M補給船を、ISS側から撮影した写真を公開した。

  プログレスM-19Mは4月24日に打ち上げられた後、ISSへのドッキング時に使用するアンテナの一つが展開していないことが判明するもドッキングを強行し、その結果アンテナが、欧州の補給船ATVが使用するレーザー反射鏡に接触し、損傷を与えた可能性が指摘されていた。

  今月11日のISSからの分離時にプログレスのカメラから撮影された映像では、レーザー反射鏡の周辺への大きな損傷は認められなかったが、目立たない範囲で損傷している可能性は依然として残っている。また公開された3枚の写真にはどれも、ドッキング前には展開していなかったアンテナが展開している様子が写っており、おそらく分離時の衝撃が引き金となって開いたと思われるが、この展開の際に何かと接触した可能性もある。写真に写っているアンテナは明らかに変形しており、少なくともどこかの時点で、アンテナがISSとぶつかったことは間違いない。

  もしくだんのレーザー反射鏡が損傷していれば、15日に予定されているATVの4号機アルベルト・アインシュタインのドッキングに影響が出る可能性もある。

  現時点ではドッキングの延期などは考えられてはおらず、予定通り日本時間の15日22時46分21秒に実施される見通しだが、万が一に備え、11日には衝突回避マニューバー(CAM)の試験が実施されている。これは直前にドッキングが不可能だと分かった時でも、衝突という最悪の事態が起こらないよう衝突を回避するための動作だ。

  またレーザー反射鏡を交換する必要が生じた場合は、24日に予定されているISSの船外活動の中で交換が実施されることになるだろう。その間ATV-4は待機軌道と呼ばれる安全な軌道で待機し、交換後に再度ドッキングを試みることになる。

 写真=NASA

 ■International Space Station Photo Index 7
http://spaceflight.nasa.gov/gallery/images/station/crew-36/inflight/ndxpage7.html

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