太陽電池の理論を応用した高速メモリ技術
2013年6月14日 14:14
あるAnonymous Coward 曰く、 カリフォルニア大学バークレー校のRamamoorthy Ramesh氏らの研究チームは、フラッシュメモリよりも10,000倍高速な読み取りができるコンピュータ用記憶素子の試作品開発にこぎ着けたという。この記憶素子は、太陽電池パネルに使用されている原理を利用して作られており、従来の物よりも高速であるだけでなく、高い耐久性と低消費電力を兼ね備えているという(nature、本家/.)。
材料に使われているのはビスマスフェライト。ビスマスフェライトは実用化が進んでいる強誘電体メモリなどにも採用されているが、読み出しに使われる電気的信号がデータを消してしまうことがあるため、毎回データを書き直さなければならないという信頼性に関する課題が残されているという。Ramamoorthy Ramesh氏たちは、記憶素子からデータを破壊せずに読み取る方法を検討した結果、ビスマスフェライトの可視光線が当たったときに電圧が発生するという特性を利用できることに気がついた。
従来のコンピュータ用記憶素子では、電荷の有無で0か1の情報を記憶する。しかし、ビスマスフェライトを使った記憶素子では反対に、太陽電池パネルに使用されている光電変換特性を利用し、2つの偏光状態の入力光量から二つのタイプの電圧を発生させることで0か1の情報を記憶するのだという。この方法であれば、読み取り時にも保存されるデータを消去せずにすむとしている。
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