オリックス、中東で保険事業に初参入 中東最大級の保険会社に約25.7%出資
2013年6月12日 19:08
オリックスは12日、中東地域最大級の民間保険会社The Mediterranean and Gulf Insurance & Reinsurance Company B.S.C.(本社:バーレーン、以下メドガルフ)の発行済株式の約25.7%を取得することで基本合意したと発表した。今後必要となる許認可の取得を経て、今月中に出資を予定している。
メドガルフは、1980年に中東地域の保険業界のパイオニアとしてレバノンで創業後、1995年にバーレーンで設立された持ち株会社で、サウジアラビア、レバノン、ヨルダンの中東地域およびイギリスで保険事業を展開する企業グループ。
事業の中核となるサウジアラビアにおいては、サウジアラビア証券取引所に上場する第二位の保険会社を有し、法人向け健康保険を主力として事業を展開している。また、中東で最も古くから保険事業が発展しているレバノンでは同国最大の保険会社を有し、健康保険や自動車保険を中心に事業を展開するなど、中東地域において強固な事業基盤を築いている。
中東地域における対GDP比の保険普及率は未だ2%未満で、先進国の5分の1程度の水準に留まっている。加えて、各国の経済成長や人口の増加、さらには国家支出の軽減策として強制保険制度が政府から民間へ移行される背景もあり、今後保険需要のさらなる拡大が見込まれている。
中でもサウジアラビアでは、2006年より民間企業を対象に従業員の健康保険への加入が段階的に義務付けられ、また将来的には国営企業の従業員や個人事業主へも義務化の対象が拡大すると見込まれており、今後民間保険市場のさらなる成長が期待されている。
オリックスは、中東・アフリカ地域において1994年のオマーン進出を皮切りに、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カザフスタンで現地の有力パートナー企業と共にリース事業を展開している。
今回の資本参加により、中東地域で高い事業シェアとブランド力を有するメドガルフとの戦略的パートナーシップを通じて、今後中東地域の保険市場の成長を取り込むとともに、中東地域におけるプレゼンスの向上と金融サービス事業の多角化を図る。
オリックスは、2013年2月にオランダを本拠としグローバルに展開する資産運用会社Robeco Groep N.V.の買収を、また同年5月にはモンゴルの大手金融グループTenGer Financial Groupへの資本参加を決定するなど、世界規模でのアセットマネジメント事業の拡大と高い成長が期待できる新興国市場での金融サービス事業への投資を積極的に推進しており、今後もグローバルな事業基盤のさらなる拡充を図っていく方針。