日立、パワー半導体事業を再編 設計・製造・販売を一体化

2013年6月12日 11:52

 日立製作所は11日、パワー半導体事業の多様化するニーズへ迅速に対応することを目的として、2013年10月1日付で、日立のパワー半導体事業を子会社である日立原町電子工業株式会社に移管し、設計、製造から販売までの一貫体制を構築することを決定したと発表した。

 具体的には、会社分割により、日立のパワー半導体事業の設計、製造、品質保証、営業部門等を日立原町電子に承継させるとともに、日立原町電子の会社名を「株式会社日立パワーデバイス」(仮称)に変更する。

 今回の会社分割は、鉄道車両、建設機械、発送電設備、自動車、家電など、社会イノベーション事業でのキー・デバイスであるパワー半導体製品の日立グループ内での設計、製造から販売までの業務を一体化し、情報や意思決定の流れをさらにスピードアップすることで日立のコンポーネント製品の競争力を強化することを目的としている。

 今後、新会社では、鉄道、建設機械、風力発電、電力流通などに使用される世界最高レベルの低損失を実現した高耐圧IGBTの量産を推進するとともに、次世代素子として期待の高いSiCデバイスの実用化に向けた開発を加速する。また、インバータICについては、国内市場の豊富な実績をもとに新興国での省エネエアコンの需要拡大に対応していく。加えて、自動車分野では、さらなる長寿命化、高信頼化を実現した第三世代(樹脂型)オルタネータ用ダイオード等によって事業を積極的に推進していく。

 また、販売面では、グローバルに拡大するパワー半導体市場に対して、海外営業拠点を順次拡充するとともにフロントセールス及びフロントセールスエンジニアを増強し、成長、進化する市場ニーズを捉え、顧客の要望に応えていく。

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