『男が愛する時』第17話 テサン(ソン・スンホン)は「申し訳なくて有難くて怖くて可哀想な人だった」
2013年5月31日 23:38
29日に放送されたMBC水木ドラマ『男が愛する時』(脚本:キム・イニョン、演出:キム・サンホ)の第17話では、“愛の本質”を繊細に描き出し、視聴者たちの心を刺激した。
『男が愛する時』は、自分を捨てて他の男と浮気した母親に対する悲しい記憶を胸に閉じ込め、チンピラとして自暴自棄な生活を送っていたハン・テサン(ソン・スンホン)が、ある日12歳も年下の女性ソ・ミド(シン・セギョン)に出会い、過去の心の痛みが癒されていく過程を感覚的に描いている。
前回放送でミドを見つめながら「一瞬、奇妙な熱風に魂を持って行かれたような感じ・・・」と言ったテサンの台詞のように、借金取りと債務者の娘として出会った二人の悪縁はとても強烈なものだった。
しかし、その後ミドはジェヒ(ヨン・ウジン)に出会い、テサンとミドの関係は崩れていった。テサンは、ミドとの破局の悲しみから立ち直ることができず、その心の傷は彼の背中に刻まれたナイフの跡のように深く食い込んでいった。
このように、テサンは大きな失恋を体験したが、“深く愛した人は、その愛によって傷つくことはない”と書かれた黒板の中のフレーズのように、心の傷を淡々と受け入れ始めた。
一方、“目を閉じたら、あなたの瞳が私の目の中にたまった水のように揺れる”とミドが読んだ本のフレーズのように、お互い深く愛し合った時間があった二人なだけに、テサンとミドのすれ違ってしまった愛は、視聴者を残念がらせた。
ミドは、むしろ「申し訳なくて有難くて怖くて可哀想で・・・。そうだったの。私にとってハン・テサンという人は・・・」と過去を反芻した。ミドはテサンとの“愛”の過程があったからこそ、新しい“愛”に出会えたのであり、テサンとの心の傷を治癒することができたのだ。
『男が愛する時』はこれまで、ミドの家の前の黒板のフレーズと本のフレーズを、登場人物たちの内面を感覚的に表現する道具として活用してきた。キム・イニョン作家の言葉のように、“自分の中の自分も知らなかった情熱に出会える幸せだが恐ろしい瞬間。熱風に包まれた主人公たちの‘愛’”を、胸を打つ黒板のフレーズと魅惑的な独白とともに描き出し、愛の本質に対してもう一度考えさせている。
最終回まで3話のみを残した『男が愛する時』。意識不明の兄チャンヒを前に「今目覚めてくれなかったら、オレが思った通りに行動するからな」と言ったジェヒの怒りの混ざった言葉のように、ドラマは再び激しく揺れ動く準備をしている。
テサンとロイ・チャン(キム・ソギョン)にまつわる真実、ジェヒが自分の父親がチャン・ジミョン(ナム・ギョンウブ)会長だという事実を知る過程など、未だ様々な興味深い要素を残しているのだ。果たしてどのような結末を用意しているのか、視聴者の期待はますます高まっている。(翻訳:宮本りさ)