トヨタ、日本ケミコンなど/本日の注目個別銘柄(5月28日)

2013年5月28日 16:08

[本日の注目個別銘柄]

電力株

電力・ガスセクターが業種別下落率のトップ。東京電力を筆頭に下落率の大きさが目立つ銘柄が多い。電力4社が、4原発の運転再開へ7月申請を計画などと伝わり、朝方は総じて買い先行の展開となった。ただ、買い一巡後の上値は重く、物色が自動車や機械などの景気敏感株にシフトする中、手仕舞い売りの動きも早まる状況に。ゴールドマンでは前日のレポートで、電力株は年初来の上昇で原子力再稼動と利益回復、復配期待までをも織り込んだと指摘している。原子力の潜在テールリスクは震災前とあまり変化なく、株式市場は過度に楽観的になっていると懸念。

<7203> トヨタ 6210 +290

しっかり。三菱UFJでは投資判断「アウトパフォーム」継続で、目標株価を7800円から9200円にまで引き上げている。円高からの反転が一過性でない可能性が高まったこと、主戦場である米国やASEANの自動車市場が堅調推移を続けていること、エコカー補助金反動の影響が想定より軽微であることなど、業界環境の好転を反映しているもよう。前週末からは、モルガン・スタンレー(MS)が8100円まで、JPモルガン(JPM)が9000円まで、ゴールドマン・サックス(GS)が7300円にまで、それぞれ目標株価を引き上げている。

<9984> ソフトバンク 5210 +40

もみ合い。モルガン・スタンレー(MS)では投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げ、目標株価は5200円から6000円に引き上げている。中長期ビジョンに対する期待、保有企業・事業価値などの株価変動要素に対して、市場の見通しは極めて楽観的になっており、短期的な潜在価値は織り込んだと判断しているもよう。米国事業成功のためのパーツは揃いつつあるが、戦略実行までには時間を要する可能性と。

<4676> フジHD 190400 -3100

売り先行。前日には大和の投資判断「2」から「3」格下げが観測されている。今期営業利益は会社計画382億円を下回り、前期比6.9%減の350億円と予想しているもよう。収益性が高い主力の放送事業で、減収減益を見込むことが背景のようだ。前期にスポット広告販売の基礎となる視聴率が落ち込んだことで、スポット収入は伸び悩むと見込んでいる。

<3407> 旭化成 692 +13

売り先行後は下げ渋る。前日には中期計画の下方修正を発表している。2016.3期営業利益見通しを従来の2000億円から1600億円に引き下げへ。今期予想は1300億円。中国需要の低迷で汎用化学製品やエレクトロニクス関連製品の市況が軟調、サウジでの繊維原料の増産計画も先送りするもよう。ただ、説明会で示された成長戦略などに対する評価は比較的高く、数値目標の下方修正に関しても、現実的な水準に引き下げられたとしてポジティブに捉えられているようだ。

<6997> 日本ケミコン 400 +37

買い先行。メリルリンチ(ML)では投資判断「買い」を継続で、目標株価を310円から490円に引き上げている。構造改革を通じた収益水準の底上げ、アルミ電解コンデンサに対する受注トレンドの改善などを引き続き評価。今期営業利益は35億円から57億円へ、市場コンセンサスを上回る水準にまで上方修正しているもよう。

<6920> レーザーテック 2662 +292

大幅高。前日の引け後に1:2の株式分割実施を発表、買い材料につながっている。最低売買単価の低下に伴って、一段の流動性の高まりが期待できる状況のようだ。第3四半期決算発表を受けて急伸する手前の水準まで調整が進んでいたことで、格好のリバウンドのきっかけ材料としても捉えられる状況に。

<6141> 森精機 1253 +110

強い動きが目立つ。工作機械の「高齢化」が進んでいると報じられている。保有期間「15年以上」との回答が45%に達し、9年前との比較では12ポイント上昇しているもよう。業界からは設備更新を後押しする税制優遇策などを求める声が挙がってきているとも。成長戦略第2弾では設備投資の拡大を主要目標としていることもあって、政策期待などを思惑視するような動きにも。

<5233> 太平洋セメント 306 +14

強い動きが目立つ。みずほ証券では投資判断「買い」を継続で、目標株価を300円から360円に引き上げている。今期営業利益は会社計画を上回る510億円を予想。国内事業が牽引役となる格好だが、2015年以降の海外セメント事業の本格的な利益回復局面入りには注目と。また、モルガン・スタンレー(MS)でも、業績回復期待の高まりを背景に、セメントセクターのスタンスを引き上げているようだ。

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