ユニプレスと新日鉄住金、ホットプレス部品の生産高速化に成功

2013年5月20日 18:04

 ユニプレスと新日鉄住金は20日、世界トップクラスの生産性が実現可能な直水冷方式によるホットプレス部品の量産化に成功したと発表した。

 地球環境保全の観点からCO2削減(燃費向上)が求められ、自動車の車体軽量化が急速に進んでいる。一方で、衝突時の乗員保護のため、冷間プレス成形が難しい領域の高強度材の使用が求められており、ホットプレスはそれに対応した工法として世界的に採用されている。なかでも直水冷技術による新工法は、生産性が大幅に上がることにより、環境にもより優しい工法として注目されている。

 ホットプレス工法は、高温に加熱した鋼板を成形すると同時に金型の中で急冷して焼き入れることで高強度製品を得るもの。冷間プレス工法に対し、高強度かつ高精度な部品が得られる一方で、冷却(焼き入れ)に要する時間分だけ生産性が劣ることが課題となっていた。

 ホットプレス工法の従来の冷却方式は、金型内部に冷却水を流し、鋼板を間接的に冷却する方式だが、今回実用化した直水冷方式は、金型表面から冷却水を吐出させ、金型表面とパネルの間に冷却水を通すことで鋼板を直接冷却させる方式。直水冷方式は従来方式の約3倍の生産性を可能とする。新日鉄住金が開発した基本技術をベースに、ユニプレスの子会社であるユニプレス技術研究所と新日鉄住金が実用化に向けて共同研究し、量産化を実現した。

 量産化にあたり、急冷による品質(部品精度)のバラツキが課題となったが、ユニプレスの誇る高度な金型技術と、共同での給排水経路及び水量のコントロールの適正化により、従来工法品と同等の品質・強度を可能とした。

 今回、同工法を適用し、日産自動車向けの車体骨格部品の量産化を開始した。今後、同工法の採用拡大を目指していく方針。

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