次世代Xbox、低迷する家庭用ゲーム機市場の起爆剤となりえるか

2013年4月29日 21:40

 24日、米マイクロソフトは2013年5月21日にワシントン州レドモンドにあるマイクロソフト本社で、同社の家庭用ゲーム機「Xbox」をテーマにした特別イベントを開催する旨を明らかにした。

 同社広報担当は、発表以上のことに関するコメントを控えてはいるが、かねてから同社では、すでに今年末の年末商戦での販売が発表されているソニー<6758>の「プレイステーション4」に対抗すべく、新型Xboxを投入する準備を進めていると噂されていることからも、この特別イベントの席上で、次世代機種の発表が行われるものと見られている。

 かつて絶大な人気を誇った「プレイステーションと」「Xbox」だが、高性能PCやスマートフォン等の普及により、顧客の関心がソーシャルネットワークや携帯端末で遊べるゲームに移ってしまい、ここ数年は売り上げの維持に苦戦を強いられている。

 NPDグループがまとめた調査データによると、3月のアメリカ市場の小売店舗におけるゲーム機の売り上げは32%も減少しているという。それに加え、ゲームソフトの月間売り上げも2011年12月以降、前年割れが続いている状況だ。業界の怪物的存在であった任天堂<7974>でさえ、24日、12年に投入した新型家庭用ゲーム機「Wii U(ウィーユー)」の不調が原因で、12年度の業績が2年連続の赤字に陥ったことを公表している。

 残念ながら、家庭用ゲーム機に台頭するPCやスマホ、そしてタブレットに対し、これらのゲーム機メーカーが有効な対抗策を見出せていない状況は明らかだ。また、市場の反応も幾分か冷淡でもある。かつては次世代機が発表されるとなると、数ヶ月前から大騒ぎになったものだが、「PS4」の発表ですら、あまり大きなニュースとしては取り上げられていない。業界関係者ならずとも、この状況で次世代機を投入するのにはいささか不安を感じなくもない。

 マイクロソフトが現在開発を進めている新しい「Xbox」は、「PS4」同様、ソーシャネットワークを強化したものになるとみられている。また、プロトタイプでは、AMD製の高速チップやデザイン性の高い携帯型コントローラーが採用され、ハードウエア面の改善もされている。また、「Xbox」シリーズのウリのひとつであるナチュラルユーザーインターフェイスの「キネクト」の性能も向上されており、プレーヤーをより明確に認識し、スムーズに命令の伝達が行われるようになっているそうだ。

 次世代機「Xbox」と「PS4」が年末の同時期に発売されることによって、低迷を続ける家庭用ゲーム機市場が再び活気を取り戻すのか、それともこれが家庭用ゲーム機の断末魔となってしまうのか。いずれにせよ、ゲーム機メーカーにとっては正念場となりそうだ。(編集担当:藤原伊織)

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