コマツが中期経営計画を発表、ICT建機導入や環境対応を推進

2013年4月26日 11:33

 コマツは25日、2013年4月から2016年3月(2013-2015年度)までの新たな3カ年の中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide」を発表した。数値目標として、2015年度に売上高営業利益率18~20%(2012年度実績11.2%)を目指す。

 新たにスタートした中期経営計画においては、コマツの強みを活かした「成長戦略」と企業体質の強化を狙う「構造改革」を両輪とした重点活動に取り組むと同時に、株主への利益還元水準の向上に尽力していく。

 コマツは、イノベーションによる成長戦略として、これまで築き上げてきたICT(情報通信技術)、主要コンポーネント(基幹部品)の開発・生産技術、グローバルな販売・サービス網、フレキシブルな調達・生産体制などの強みを今後も進化させていく。併せて、グループ内外を問わず有望な分野での先進技術を持っている企業とグローバルレベルで積極的に協同・連携していく。

 次世代商品開発のための開発投資を拡大し、最先端のICTの活用により一層の「自動化、無人化」を可能にする将来建機の開発、市場導入を促進する。具体的には、チリとオーストラリアの大規模鉱山で稼働する無人ダンプトラック運行システム、ブラジルで導入が進む林業機械用フリート管理システム、施工を効率化し、施工全体の管理を促進するICT建機などを引き続き発展させていくと同時に、それに続く成功モデルを増やしていく。2013年度は、ICT建機の先行モデルとして中型ブルドーザー「D61EXi/PXi」、中型油圧ショベル「PC210LCi」をそれぞれ米国・欧州を皮切りに導入していく。

 また、産業機械の分野では、主要コンポーネントの自社開発・生産を進め、革新的な新商品の導入を目指す。2013年度は、高い生産性とランニングコストの大幅な低減を実現した新型の「ファイバーレーザー加工機」を市場導入していく。

 2014年以降、米国、欧州および日本においてNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)の排出量の更なる低減が求められる新たな排出ガス規制(米国ではTier4 Final)が開始される。コマツは、エンジン、油圧機器、制御システムなどの自社開発・自社生産という強みと最新技術を融合させ、この規制に対応した商品開発に2013年度も引き続き注力し、円滑な市場導入を目指す。

 また、補給部品の受発注・物流改革に引き続き取り組むとともに、今後も成長が見込まれる戦略市場と鉱山分野におけるバケットやツース・履帯などの戦略部品の拡販に努めることで、収益の拡大を目指す。2013年度は、油圧ショベルの破砕・解体用のアタッチメントである「エキセントリックリッパー」を米国、中国より世界への導入を進めていく。既存事業においてこれまで取り込めていなかった潜在需要を持つ分野については、他社との積極的な協業も選択肢に入れ、強化を図っていく。

 コマツグループの売上高はこの10年で約2倍となったが、固定費をほぼ一定に抑制している。今後も成長とコストの分離の方針に基づき、適正な固定費水準を維持していく。国内生産拠点での電力使用量半減を目標に、生産改革や建屋の統合および更新を推進することにより、生産固定費の大幅な削減を目指す。2013年度は、まず粟津工場(石川県)において最新鋭の省エネ設備と革新的な生産効率を両立する新建屋建設に着手する。

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