ビッグバン理論には致命的な欠陥がある?

2013年4月22日 11:50

 taraiok 曰く、

 3 月、ESA (欧州宇宙機関) が持つ天文衛星 Planck が、宇宙誕生時の名残を伝える微弱なマイクロ波「宇宙マイクロ波背景放射 (CMB)」を最高精度で観測した全天マップを発表した (AstroArts の記事)。この Planck により得られた知見とこれまでに得られたヒッグス粒子のデータを組み合わせることにより、これまでのビッグバンを起源とする標準宇宙論の考えが変わる可能性が出てきたという (Nature News & Comment の記事、、本家 /. 記事arXiv:1304.2785 より)。

 これまでの標準宇宙論 (ビッグバン宇宙論) では、最初期の宇宙はビッグバンの後インフレ的に拡張を続けてきたと考えられてきた。しかし、プリンストン大学の天体物理学者 Paul Steinhardt 氏のチームが先週投稿した論文では、CMB の観測で得られたデータなどから考えると、これまでのビッグバンを起源とする標準宇宙論には、致命的な欠陥があると指摘している。

 これによると、Planck で得られたモデルデータに plateau models と呼ばれる数学的モデルを当てはめたり、CERN の大型加速器で得られたヒッグス粒子 (とされているもの) の観測データを見ると、宇宙のインフレ的な拡張が自然に発生することは考えにくいと指摘している。

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