米アップルは「iWatch」で新たな革新を生み出せるか

2013年4月21日 22:12

 先日、グーグルが今年末のリリースを表明している、メガネ型のウェアラブル端末「Glass」のスペックが公開されて大きな話題を呼んだ。製品そのものもさることながら、スマートフォン市場を牽引するグーグル自らが、スマートフォンの次を明示していることで注目されているが、それに伴って、もう一つの勢力であるアップルの動向にも関心が高まっている。

 アップルはかねてより、グーグルの「Glass」に対抗するべく、「iWatch」という通称で呼ばれる時計型のウェアラブル端末を開発しているといわれており、こちらも年内に投入されるのではないかとの見方が強まっているのだ。アップルの創設者であり、無くなった後も尚、信奉者の多いカリスマ経営者、故スティーブ・ジョブスのDNAが息づくアップル製スマートウォッチについては、多くの憶測が飛び交っている。

 まず、有力な情報としては、「iWatch」には、iPhoneやiPad同様、フル機能のiOSが搭載されるといわれている。また、音声案内システム「Siri」を活用したオペレーティングも可能になり、アップルは、ディスプレイ技術とマルチ機能性を駆使して、他社製スマートウォッチとは一線を隠したものになりそうだ。例えば、独自の歩数計など、健康データを計測するセンサーを内蔵することによって、人気の高い「Nike FuelBand」や「fitbit」などの製品とも充分に渡り合える内容になるかもしれない。

 そして、アップル製品といえばスタイリッシュなイメージが強いが、やはりiWatchも「見た目」にはかなりのこだわりを持って開発されているようだ。現在、いくつか予想される中で、もっとも有力視されているデザインは、全面カーブガラスを使用した、時計というよりはガラス製のブラスレットのようなスタイルのもの。そして、その画期的で洗練されたデザインを支えるために、プラスチックの数十倍の強度を持つといわれるiPhoneの「ゴリラガラス」を作ったコーニング社による超薄板フレキシブルガラス「Corning Willow Glass」が採用されるのではないかといわれている。

 すでにプロトタイプの開発は終わっていると伝える情報もあるが、その真偽は定かではない。また、製品化の最終的な課題として、バッテリーの駆動時間が目標の4~5日に達しておらず、現行では2日ほどしかもたないことなどから、年内の発売を見送るのではないかともいわれている。

 米国のアナリストによると、iWatchが発売されれば60億ドル規模の商機になると見られており、さすがのアップルも慎重にならざるを得ないのかもしれない。(編集担当:樋口隆)

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