ムーアの法則と生命の起源

2013年4月19日 11:50

 taraiok 曰く、

 遺伝学者の Alexei A. Sharov 氏と Richard Gordon 氏は、生命の進化速度をムーアの法則のように推定、生命の誕生時期を逆算することを試みた (MIT Technology Review本家 /. 記事arXiv:1304.3381 より) 。

 ムーアの法則は「半導体の集積密度は約 2 年 (18 ヶ月) 毎に倍になる」という経験則を表したものだ。換言すればムーアの法則を逆算していけば、マイクロチップが最初に誕生した年代にたどり着くともいえる。半導体がムーアの法則により、進化する過程で複雑化していくように、生命もまた進化するに従って複雑さは指数関数的に増加していく。

 遺伝的複雑性を線形に推定したところ、3 億 7600 万年で複雑さが倍になるという計算になったという。これから逆算すると生命の誕生は 97 億年前 ± 25 億年となり、地球そのものよりも古いという結論にたどり着いたとしている。

 本家 /. では「ピアレビューされてない arXiv に投稿された論文をソースにするなと…」といったコメントがつけられている。論文では「生命の複雑さ」の指標としてゲノムのサイズを用いているようだが、C-value enigma についての言及がないなど、ちょっとした思考実験のネタとして、あるいは昼食の肴として扱うのがいい内容なのかもしれない。

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