第2回将棋電王戦、第4局は引き分け
2013年4月14日 11:33
shinshimashima 曰く、 13日に行われた第2回将棋電王戦第4局では塚田泰明九段とPuella αが対局し、230手で持将棋(引き分け)となった(第2回将棋電王戦 対戦結果、YOMIURI ONLINEの記事、朝日新聞デジタルの記事、スポニチアネックスの記事)。
相矢倉の将棋で飛車を取られた塚田九段は入玉を目指すが、角行も取られて点数面でも不利な状況となる。Puella αも入玉したが、ここで入玉模様の勝負を苦手とするコンピューター将棋の弱点が出る。Puella α側が大駒を守らず、と金の量産を優先する間に塚田九段が点数を回復していき、222手目に最低点の24点を確保して持将棋を提案した。電王戦の特別ルールにより、持将棋後の差し直しは行われない。ここまでコンピューター将棋の2勝1敗1分け。最終戦となる第5局は20日、三浦弘行八段とGPS将棋が対局する。
将棋に詳しくない人向けに入玉と持将棋の説明
玉将が相手の陣地に入った状態では敵陣内や手前に歩兵を打って成ることで「と金」を量産して玉を守れるようになります。一方、将棋の駒の多くは後方の動きが弱いため、この状態の玉を攻撃するのは困難になります。
この状態を「入玉」、互いに入玉した状態を「相入玉」といます。相入玉になると決着がつかなくなるので、それを防ぐために点数で勝敗を決めます。点数は玉が0点(お互い持ってるので当たりまえ)、飛車・角(大駒)が5点、それ以外を1点で数えます。初期状態が27点づつで、プロの場合は互いに24点以上以上で相入玉になると「持将棋」として無勝負にします。
この点数が曲者で、普段の状態とは駒の価値が大きく異なってきます。普段はたいていの状況で飛車1枚<金銀2枚なのですが、点数勝負では角>金4枚=歩4枚という状態になります。コンピュータはこの切替が苦手なようです。あと持将棋模様の棋譜が少ないので有効な学習ができないとも言われています。
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