NEC、大規模プラント向け故障予兆監視システムを開発 ビッグデータを分析

2013年4月8日 11:59

 NECは8日、工場や発電所など大規模施設(プラント)における故障の予兆を分析し、故障に至る前に設備の不健全な状況が把握できる「大規模プラント故障予兆監視システム」を開発したと発表した。

 NECは、センサー情報などビッグデータの分析を行う独自技術として、専門知識や複雑な設定なしで「いつもと違う」挙動を自動発見できるインバリアント分析技術を開発し、システムへの適用を進めてきた。

 今回開発したシステムは、プラントの設備に設置されている各種センサーの情報を収集し、インバリアント分析技術を用いて解析を行うもの。同技術により、膨大なセンサー情報から設備の健全な運用状態を自動的に定義し、常時収集するセンサーデータと比較・分析を行うことで、故障が発生する前の不健全な状態を通常と異なる「故障の予兆」としていち早く検出・把握可能となる。これにより、プラントの予防保全が可能となり、安全性の向上や効果的な運用につながる。

 同システムの開発にあたり、NECはシステムの有効性を確認するため、中国電力の協力のもと、同社の島根原子力発電所において実証実験を行ってきた。まず、2011年8月から2012年11月まで設備状態監視用センサー情報の解析を行い、過去の不具合事例などについて予兆を検出した。

 さらに、2012年10月からは、島根原子力発電所の技術訓練用施設に同システムを試験的に導入し、疑似的に様々な設備故障を発生させ、故障予兆検出を行った。その結果、検出が可能となる良好な結果が得られたという。

 NECはインバリアント分析技術を利用し、工場や発電所など様々なプラントで利用する故障予兆監視システムとして海外への展開も視野に今後も開発を進めていく方針。

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