事実上のFacebookフォンは、HTC製スマホ

2013年4月8日 07:53

 米国時間4月4日、Facebookはカリフォルニア州メンロパークにある本社で報道陣向けのイベントを開催し、その席上でAndroid端末向けのホームアプリ「Facebook Home」を発表した。また、かねてから噂のあった「Facebookフォン」の発表はなく、代わりにFacebook Homeをプリインストールしたスマートフォン「HTC First」のお披露目となった。

 Facebook Homeは、Googleの「Android」ソフトウェアのカスタムバージョンとして、世界最大のSNS「Facebook」向けに特化したもので、同SNS関連のアプリで構成され、端末のホーム画面は「Cover Feed」に転換される。このCover Feedは、Facebookでお馴染みの「News Feed」の改良版ともいえるもので、スワイプ操作も可能になっているうえ、視覚的な印象も美しく仕上がっている。また、メッセージング機能として、メッセージのプレビューを表示し、ユーザーが1回のタップで会話に参加できる「Chat Heads」という新しい機能も追加されている。

 Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるマーク・ザッカーバーグ氏は、「人ではなくアプリを中心に設計されている現行のスマートフォンを180度転換させたい」と述べ、Facebookを軸とした、ユーザー中心のデバイスに転換することを目指すという。「Cover Feed」や「Chat Heads」も、そのコンセプトに合わせて開発されたものだ。

 また、パートナーとして同イベント登場したHTCのCEO・ピーター・チョウ氏も、新端末「HTC First」について「モバイルとソーシャルを統合する素晴らしい機会」を象徴するものだと自信を覗かせている。しかしながら、同端末のスペックは現行品と大きな差はみられない。「HTC First」と特別な名を冠している割には、同社の最先端技術が詰めこまれているというわけではないのだ。「Snapdragon 400」デュアルコアプロセッサと4.3インチ画面が搭載されているものの、同社が近日発売を予定している最新機種「HTC One」に比べれば、スペック面では大きく見劣りしてしまう。

 Facebook Homeは、4月12日から無料でダウンロードできるようになるが、米国内限定となるようだ。すでに日本語のWebページも公開されているが、Facebook Japanによると「日本を含むその他の国や地域は、近日中にダウンロード可能になる予定」としている。ただし、Facebook Homeは、HTC Oneシリーズ、Galaxy S III、Galaxy Note IIなど一部のAndroidスマートフォンで利用できるが、HTC Oneは日本では未発売のため、当初はGalaxy S III、Galaxy Note IIの2機種のみで利用可能となる見通し。日本で発売しているHTC製の端末には現状で「対応の予定はない」という。また、HTC Firstなどの日本における展開についても不明だという。

 ここ数日、今回のイベントで「いよいよFacebookフォンが発表されるのか?」と賑わったものの、米国はともかく、日本のユーザーにとっては、何とも中途半端な発表で終わってしまったようだ。(編集担当:西口利也)

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