【銘柄診断】アルトナーは安値水準から続伸、業績上ぶれ期待を高めて下げ過ぎ訂正

2013年4月8日 10:53

<銘柄ウオッチ>

  アルトナー <2163> (JQS)は、8円高の611円と続伸し、4月2日につけた年初来安値588円に並ぶ安値水準から底上げしている。同社株は、今年3月14日の1月期決算発表で、今期純利益を前期の5期ぶりの過去最高更新から減益転換と予想、ストップ安を交えて急落したが、業績予想そのものが保守的として業績上ぶれ期待を高めて下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。決算発表に続いてその後に開示した月次技術者数・稼働率が高水準をキープしたことなどが、この手掛かり材料となっている。

  同社の業績は、前期に2回も期中に上方修正され、純利益は、2億8600万円(前々期比45%増)と続伸し、2008年1月期の過去最高(2億4100万円)を更新した。期末技術者数が、前々期末の543人から590人に増加し、自動車業界のエコカー向け、電機メーカーの燃料電池向けなどに技術者派遣が増加、稼働率が95.4%から97.5%、派遣単価も同3469円から3541円に各アップ、工数も拡大したことが要因となった。これに対して今期業績は、売り上げを40億5200万円(前期比0.8%増)と続伸を見込んだが、経常利益を2億2000万円(同24%減)、純利益を1億3400万円(同52%減)と予想した。

  同社は、新事業モデル制度に移行する中期経営計画を今期から推進、この構造改革費用を見込んで減益転換したものだが、前期業績も、期初に減益転換を予想したものが2回の上方修正を経て純利益が過去最高を更新している。またその後発表した今年2月の月次実績では、技術者数は、前年同月の500人から555人に拡大、稼働率も97.3%となっており、業績予想そのものが保守的との観測が有力となっている。

  さらに中期計画では、最終年度の2016年1月期の技術者数を800人とリーマン・ショック前の746人を上回る過去最高、営業利益率を過去最高の9.2%を上回る10%へと引き上げることを目標にしているだけに、中期計画の着実な進展とともに業績上ぶれも期待されることになる。

  株価は、昨年12月の前期配当の増配ではストップ高して今年1月の年初来高値825円まで急伸、値動きの軽さは定評があり、PER12倍台の割り負け訂正で一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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