次世代ゲームは部屋全体が画面になる!?
2013年4月7日 10:10
1983年に任天堂 がファミリーコンピュータを世に送り出してから30年。家庭用テレビゲームは驚くべき進化を遂げてきた。ドット画からCGに進化し、それがどんどん高精彩になるにつれ、グラフィックだけでなく、ハード自体も多様化の道をたどっている。
日本では、任天堂が早くからビジュアル重視の路線から、ユーザー自身の身体を使ったり、複数人のパーティ形式で遊べたりする路線にシフトしている。任天堂ではファミコン時代から度々、コントローラーに付属のマイクを使ってみたり、銃やロボット型の周辺機器を接続したりして、画面外のアトラクション要素を模索してきた。現在販売中の「wii U」は、まさにその一つの集大成ともいえるものになっている。
しかし、体感路線で成功しているのは、なにも任天堂だけではない。Microsoft社のXbox360も、後発組ながらKinectを利用した独自のシステムでゲームファンからの支持を得ている。
Kinectとは、内蔵する3つの光学系センサーと音響センサーがプレイヤーの動きや音を検知し、コントローラーを使わずに、Xbox360を操作できるシステムのことだ。身振りや手振りだけで画面を操作できたり、顔認識で自動サインインできるシステムは、まさにSF映画の世界そのものだ。
しかもこの度、Microsoftのリサーチチームより、このKinectを利用した新たな視覚効果技術コンセプトが発表され、大きな話題を読んでいる。IllumiRoom(イルミルーム)と名付けられた、そのプロジェクトは、Kinect for Windowsカメラとプロジェクターを利用し、ゲームなどのコンテンツ映像を直接、壁などの立体物に投影するというもの。早い話が、今流行りのプロジェクション・マッピングを自宅の部屋で行い、部屋全体を仮想空間にした上でゲーム等を楽しめるということだ。
IllumiRoomの驚くべきところは、「Xbox, Go BIG(Xbox、大きくなれ)」と声を掛けるだけで、Kinectがテレビ画面のある周辺環境のジオメトリーを自動で3Dスキャニングして、グラフィックの前処理を一切施すこなく、リアルタイムでプロジェクション・マッピングのようなビジュアルエフェクト等を表現できることだ。
例えば、何かの建物に侵入するようなゲームの場合、TV画面外にもその建物のビジュアルがリアルタイムに投影されるので、あたかもその建物に本当に侵入しているかのような臨場感が味わえるというわけだ。もちろん、Kinectだから、コントローラーを握らなくても動かせるようなソフトになると思われるので、まさに異空間に迷い込んだかのような体験が期待出来るだろう。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)も先日、次世代機「プレイステーション4」を2013年中に発売することを発表したが、こちらはどちらかといえば、コアなゲームファンをターゲットとしたビジュアル重視の正統派ゲーム機のイメージが強い。しかしながら、満を持して7年ぶりに発売される新型とあって、その注目度は高い。
スマホやタブレットの登場によって、家庭用の高価な据え置きゲーム機から、ユーザーが続々している離脱してしまっている中、これらの次世代ゲーム機がどれだけ巻き返しを図れるか、大いに期待したいところだ。(編集担当:藤原伊織)