ESAとNASA、ハーシェル宇宙望遠鏡で撮影した星形成領域「W3」を公開
2013年4月3日 15:30
欧州宇宙機関(ESA)とアメリカ航空宇宙局(NASA)は3月28日、ハーシェル宇宙望遠鏡によって撮影された星形成領域「W3」の最新画像を公開した。
星形成領域「W3」は銀河系の渦状腕の1つであるペルセウス腕に位置しており、地球から約6200光年離れている。左上の青白く写っている領域は形成中の若い大質量星で、強い放射線で周りのちりとガスを熱している。一方、赤く写っているのはより低温のちりやガスで、小さな黄色の点は形成中の小質量星である。
ハーシェル宇宙望遠鏡は2009年5月に打ち上げられ、ラグランジュ点(L2)を中心とするリサージュ軌道で周回している。直径3.5mの主鏡と赤外線カメラなどを搭載し、これまで3年間以上にわたって、宇宙望遠鏡として初の遠赤外線およびサブミリ波の観測を行った。冷却用の液体ヘリウムを使い果たし、まもなく運用終了する予定で、5月中には地球に接近しない、安定した軌道へ投入されて廃棄される。
■Hunting high-mass stars with Herschel
http://www.esa.int/Our_Activities/Space_Science/Herschel/Hunting_high-mass_stars_with_Herschel
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