富士通研、ビッグデータのタイムリーな活用を実現する技術を開発

2013年4月2日 20:45

 近年、技術の進化とともに進んでいるサーバの高性能化。ソーシャルメディアの普及により利用者やデータが増加する一方で、依然として大量のデータをリアルタイムに分析することは困難であり、システム全体での性能向上が課題となっている。

 こうした中、富士通研究所が4月1日、ビッグデータをタイムリーに活用可能とする高速処理技術を開発したと発表。この技術を用いれば、例えば電車の中の多数のユーザーに対して、位置情報に基づいた旬の情報や話題のレストラン情報などを配信できるなど、多くのユーザーが適切なサービスを利用することが可能になるという。

 今回開発された高速処理技術では、サーバ上で動作するデータ分析ソフトウェアとデータの格納処理を行うデータ管理ソフトウェアを密接に連携し、データ分析側からの処理要求頻度に応じて一度に処理するデータ量を変化させることでシステム全体の性能を5倍以上向上。これにより、アクセスが急増した場合でもすばやい分析を実現し、数分から数十分前の出来事を分析結果に反映、価値ある情報を即座に提供することが可能になるとのこと。今後様々な分析アプリケーションへの適用および実証実験を進め、2014年度の実用化を目指すという。

 富士通<6702>グループは、国内外の富士通セミコンダクターグループで2000名程度、富士通テクノロジーソリューションズグループで1500名程度の早期退職優遇制度の実施を発表。役員報酬も10%~50%減額し、管理職の報酬も3%~7%減額すると発表するなど、強靭な経営体質に向けた取り組みが始まったところである。同社グループの有する高度な情報処理技術は、こうした取り組みが必要となる前に、現状を分析し、対策を施すことには活かせなかったのであろうか。どれだけ高度な技術や優れた情報分析も、使う人の能力次第ということなのかもしれない。(編集担当:井畑学)

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