別腹相場が展開できるか=犬丸正寛の相場展望

2013年3月29日 16:38

  来週(1日~5日)は4月相場入りである。当然、新営業年度期待といきたいところである。そこで、これからの見所としては、ひとことで言うなら、「別腹相場」が展開できるかどうかではないだろうか。別腹とは言うまでもなく満腹でも好物なら食べることができることである。

  今の相場は日経平均でみれば、昨年11月13日の8619円から今年3月21日の1万2650円まで4ヶ月間で47%上昇している。通常は20%も上がれば上出来のところを2倍の上昇率だった。相当のご馳走がテーブルに盛られたためといえる。「アベノミクス」という、寿司にステーキにとすばらしいご馳走だった。われわれは喜んで口にした。結果、食べすぎて満腹状態に近いのではないかと思われる。

  それでも、好物が出れば「オレキシン」というホルモンが分泌されて、好物だけは別腹といって口にすることができる。果たして、料理長の黒田総裁がアベノミクスを上回る好物をマーケットに出してくれるかどうか。とっておきのケーキなら別腹で多くの投資家は口にするだろう。4月3日のディナーが楽しみだ。

  一方、ディナーを楽しみたいところだが周囲はけっこう騒がしい。北朝鮮は南北間の通信をシャットアウト、アメリカに対しては攻撃も辞さない構えを口にしている。景気良し、株よし、シェールガスも手にして余裕のアメリカに対し、あせりの感じられる北朝鮮。瀬戸際外交でなくなったときが怖い。このため、マーケットでは軍事関連の三菱重工株が商いを伴って動意となっている。円安関連銘柄なら満腹でも防衛関連銘柄ならまだ食べることができるということだろう。4月相場は銘柄が変わりそうである。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
リニア中央新幹線関連銘柄特集、東海道新幹線災害時の代替ルートとしての期待も背負う(2009/01/12)
世界初!次世代のエネルギー資源メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功(2013/03/12)

関連記事

最新記事