イオンがダイエーにTOB、丸紅から株式取得し連結子会社化へ

2013年3月27日 20:46

 イオンは27日、ダイエーの株式を公開買付け(TOB)により取得することを決定したと発表した。イオンは今回のTOB実施によりダイエーを連結子会社化する方針。

 イオンは現在、ダイエーの発行済み株式の19.89%を保有し、ダイエーを持分法適用関連会社としているが、実質的なダイエーの筆頭株主は29.34%を保有する丸紅となっている。

 このため、現在のイオンとダイエーとの資本関係では、ダイエーと同じ総合小売業を営むイオンが主体的にダイエーの経営改革を推進することは難しく、イオンとダイエーの両グループのスケールメリットとシナジーを最大限に活かして成果を出すまでには至っていない状況。加えて、ダイエーの業績は2009年2月期から2013年2月期にかけて5期連続で連結当期純損失を計上する見込みとなっている。

 また、依然として継続しているデフレ傾向や電力・ガス料金の値上げ、雇用環境の停滞、将来的な消費税増税を控えた可処分所得の減少への不安等から消費者を取り巻く環境は年々と厳しさを増し、さらに業種・業態・販売チャネルを超えた価格競争が激化するなど、イオン及びダイエーが属する小売業界は更なる経営努力が求められている。これを受け、イオンは、イオンとダイエーとのシナジーを追求し、両社の企業価値を向上させるためには、現在の3社の資本関係を見直す必要があると考えるに至った。

 イオンは今回のTOBにより、丸紅が保有するダイエー株式29.34%のうち24.34%を取得することで、ダイエーの議決権の数の44.23%を所有することになる。同公開買付けは、ダイエーの議決権の数の40%以上を所有し、イオンの役員、使用人またはこれらであった者がダイエーの役員の過半数を占めることで、ダイエーをイオンの実質支配力基準に基づく連結子会社とすることを目的としている。

 一方、丸紅は、引き続きダイエーの発行済み株式のうち5%を継続保有し、イオンと共に今後もダイエーの発展のために相互に協力を行っていく。

 買付け価格はダイエーの普通株式1株につき270円。イオンは、公正取引委員会の企業結合審査が完了次第、速やかに同公開買付けを実施する予定。なお、ダイエーは、同公開買付け成立後も引き続き東京証券取引所市場第一部上場を維持する方針。

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