【銘柄診断】株価に勢いのインフォコム、増額を好感、増配で利回り魅力も
2013年3月22日 09:15
<業績&株価分析>
インフォコム<4348>(JQS)に注目したい。ITソリューションサービス事業とコンテンツ配信事業を2本柱として展開している。株価は足元で上げ足を速めている。配当増額修正を好感する動きが続いているようだ。
日商岩井と帝人<3401>から分離したシステム開発会社が経営統合しているため、携帯電話事業者、医薬医療関係機関、官公庁、教育関係機関向けのITサービスに強みを持つのが特徴だ。またクラウドサービス、Web-ERPソフト、電子書籍やソーシャルアプリなどスマートフォン向けコンテンツ開発・配信事業も強化している。
今期(13年3月期)連結業績見通しについては、売上高が前期比4.1%増の380億円、営業利益が同3.0%減の33億円、経常利益が同2.7%減の33億円、純利益が同8.0%増の20億円としている。通期予想に対する第3四半期累計(4~12月期)の進捗率はやや低水準だったが、第4四半期(1~3月)の売上比率が高いため、特にネガティブ要因とはならないだろう。ネットビジネス事業やヘルスケア事業を重点事業領域と位置付けており、M&Aも積極的に活用する方針だ。中期的に収益拡大が期待されるだろう。
2月25日に今期配当予想の増額修正と第三者割当による自己株式処分を発表している。配当は前回予想比300円増額して年間3300円(期末一括)とする。自己株式処分はITホールディングス<3626>の子会社AJSから放射線部門システム事業を譲り受け、AJSに対する第三者割当で自己株式200株を処分して金額の一部を精算する。
株価の動きを見ると、2月初めに12万円台に乗せ、2月25日の今期配当増額修正と自己株式処分を好感する形で上げ足を速めた。3月21日には17万円まで上値を伸ばしている。期末一括配当の権利取りの動きを強めている可能性もありそうだ。中期的な収益拡大期待も支援材料だろう。3月21日の終値16万9500円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1万4279円80銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3300円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS11万5554円24銭で算出)は1.5倍近辺となる。
上げ足を速めたため目先的には過熱感を強めているが、日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだろう。月足チャートで見ると10年4月の戻り高値16万2300円を一気に突破したため先高観を強めている。指標面に割高感はなく、成長分野の医薬医療関連やソーシャルアプリ関連のテーマ性も支援材料だろう。短期調整を挟みながら上値追いの展開が期待され、05年7月以来の20万円台回復も視野に入りそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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