【銘柄診断】今期大幅増益のエスプール、派遣やコールセンター需要拡大で中期的な収益拡大
2013年3月22日 09:15
<業績&株価分析>
エスプール<2471>(JQS)に注目したい。ビジネスソリューション事業(ロジスティクス関連やセールスプロモーション関連のアウトソーシング受託)、人材ソリューション事業(コールセンター業務や携帯電話販売支援業務などの人材派遣サービス)を展開している。
今期(13年11月期)連結業績見通しは売上高が前期比6.5%増の52億62百万円、営業利益が同65.8%増の80百万円、経常利益が同2.2倍の66百万円、純利益が50百万円の黒字化(前期は30百万円の赤字)としている。セグメント別に見るとビジネスソリューション事業は同11.8%増収見込みとしている。ネット通販市場拡大に伴ってロジスティクス関連(発送代行サービスやセンター運営代行サービス)の受注が拡大する模様だ。人材ソリューション事業は同4.0%増収見込みとしている。コールセンター業務の需要が拡大する見込みだ。増収効果で営業損益の改善が期待されるだろう。
市場が急拡大しているネット通販のロジスティクス需要拡大が追い風となりそうだ。景気回復に伴って派遣需要やコールセンター需要が広がる可能性も高く、積極的な拠点拡充効果も寄与して中期的な収益拡大が期待されるだろう。中期計画では16年11月期に売上高100億円、営業利益5億円を目標として掲げている。
株価の動き(12年12月1日付で1株を100株に株式分割)を見ると、1月中旬以降は概ね220円近辺でモミ合う展開だったが、3月中旬に動意付いて3月12日の380円まで急騰した。足元は270円~290円近辺で推移している。3月21日の終値280円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円47銭で算出)は14~15倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS55円18銭で算出)は5倍近辺となる。
急騰して目先的には過熱感も強いが、12年7月の330円、09年10月の333円、09年9月の376円を一気に突破して、月足チャートで見ると底練り展開から脱出の構えを見せている。先高観を強める形だろう。08年9月の386円、08年7月の414円は射程圏であり、上値追いが期待されそうだ。4月5日に第1四半期(12年12月~13年2月期)連結業績の発表を予定しており、思惑が広がる可能性もあるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展) (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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