【編集長の視点】高島屋は連日の高値、百貨店株は2月月次売上高で「アベノミクス」効果を再確認
2013年3月21日 12:50
<マーケットトーク>
高島屋 <8233> は、29円高の894円と続急伸し連日の昨年来高値更新となっている。祝日前の19日に日本百貨店協会が、今年2月月次の全国百貨店売上高概況を発表、2カ月連続のプラスとなって「アベノミクス」による株高の資産効果を今年1月に続いて再確認できたとして、内需割り負け株買いが増勢となっている。
百貨店株は、J.フロント リテイリング <3086> が、29円高の720円と続急伸して連日の昨年来高値更新となり、三越伊勢丹ホールディングス <3099> が、47円高の1303円と3営業日ぶりに急反発して、3月19日ザラ場につけた昨年来高値1307円に肉薄、松屋 <8237> が、41円高の1745円と続急伸して3月15日につけた昨年来高値1820円を窺うなど軒並み高となっている。
2月の全国百貨店売上高は、4317億円余と前年同月比0.3%増とプラス転換し、1月の0.2%増に続き前年同月を上回った。前年の閏年の反動で営業日数が減少し、気温低下で春物需要が伸び悩んだが、昨年年末以降の株価上昇による資産効果や、景気回復への期待感を強めた消費マインドの好転を背景に、輸入特選雑貨や高級時計などの高額商材が、好調に推移して牽引、バレンタイン商戦の活況や苦戦した衣料品も冬物が下支えしたことなどが加わり連続のプラスとなった。
高島屋も、今年3月15日にすでに今年2月度の営業報告を発表、総計では0.3%減となったが、百貨店では0.3%増と3カ月ぶりに前年同月を上回り、株価も、昨年来高値まで上値を伸ばした。目下集計中の2013年2月期業績は、昨年10月に上方修正したが、株価の反応は限定的で500円台を出没、野田佳彦前首相の解散・総選挙表明とともに動意付き、昨年末発表の第3四半期の2ケタ増益業績とともに売り方の買い戻しも交錯し600円台に乗せ、昨年来高値まで7割高した。PER評価では市場平均並みにとどまるが、PBRは0.9倍と割り負けており、4月初旬に開示予定の2月期決算の動向次第では、なお2008年6月以来の1000円大台を目指す上値追いの可能性も強まる。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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