シダックスがベトナムで給食事業、日系大手企業で初
2013年3月19日 13:39
シダックスとベトナムの大手給食会社ギャラクシー社は昨年資本提携で合意し、ベトナム政府当局に投資許可申請を行っていたが、3月5日に正式に投資許可が下ったと、19日発表した。これにより、シダックスは日系大手企業で初めてベトナムで給食事業を展開する。
同資本提携により、ギャラクシー社は「ギャラクシー・シダックス」に社名変更する。なお、ベトナムのWTO(世界貿易機関)正式加盟後、ケータリング事業に外資が参入するのはシダックスが世界で初めてとなる。また、シダックスグループのアジアへの進出は初となるが、ベトナム進出を起点として将来アジア周辺諸国への事業拡大を予定している。
ベトナムでは、政府により工業団地への外資系企業誘致が積極的に行われており、多くの日系企業がホーチミンやハノイ近郊を中心に製造拠点を増加させている。一方で、工場やオフィスへの食事提供は多くが中小事業者によるもので、食材の調達・物流・衛生管理・トレーサビリティの面では発展途上の状態。こうした背景から、日系企業を中心に食の「安心・安全」の確保、十分に栄養摂取可能な食環境へのニーズが高まっていた。
シダックスは社員食堂や病院の患者食などフードサービスにおいて50年以上の歴史があり、現在日本国内で1日平均60万食を提供している。また、今回資本提携するギャラクシー社はベトナムにおいて2008年から事業所給食を展開しており、日系企業・工場を中心に現在1日平均5万食を提供している。同社は業界に先駆けセントラルキッチンの建設に取り組むなどサプライチェーンの整備にも積極的。また、食品安全マネジメントシステムのISO22000を取得するなど、食の「安心・安全」強化にも取り組んでいる。
シダックスは今回の資本提携において、ギャラクシー・シダックス社の発行済株式のうち、同社代表取締役社長が保有している35%分を取得する。シダックスはギャラクシー・シダックス社の独立性を維持した経営を尊重しつつ、アジア展開の基盤づくりのため積極的に事業に参画していく。
今後ギャラクシー・シダックス社は日系企業を中心に営業活動を強化し、ベトナム国内初のセントラルキッチンを設置(2014年秋営業開始予定)するなどのサプライチェーン整備を進めることにより、2017年には1日当り20万食以上の事業規模とする計画。