【話題】どこまで上がるNYダウ

2013年3月17日 14:55

■グレートローテーション(世界の投資マネーが債券から株式へシフト)背景に1万5000ドル

  日本も米国も株価上昇の勢いが止まらない。日本も米国も12年11月中旬を起点とする上昇相場が続き、日本では日経平均株価1万3000円台、米国ではダウ工業株30種平均株価が1万5000ドル台に向かう勢いだ。

  終値ベースで日米の主要な株価指数を見ると、日経平均株価は直近安値だった12年11月13日の8619円45銭を起点として、13年3月15日の1万2560円95銭まで、ほぼ4カ月で3941円15銭(45.73%)上昇した。また12年12月28日の1万395円18銭を起点にすると、年初からの上昇幅は2165円77銭(20.84%)に達している。

  一方のダウ工業株30種平均株価は、直近安値だった12年11月15日の1万2542ドル38セントを起点として、13年3月15日の1万4514ドル11セントまで、ほぼ4カ月で1971ドル73セント(15.72%)上昇した。また12年12月31日の1万3104ドル14セントを起点にすると、年初からの上昇幅は1409ドル97セント(10.76%)となる。3月15日は前日比25ドル03セント(0.17%)安と11営業日ぶりに反落し、さすがに1996年11月以来という連騰記録は途切れたが、小幅な下落にとどまっている。悲観論が広がったわけではないようだ。足元で売買高がやや減少していることを懸念する声も聞かれるが、当面は強基調に大きな変化はないだろう。

  こうして見ると、日米ともに株式市場は12年11月中旬を起点として上昇基調を鮮明にしている。グレートローテーションと呼ばれるように、世界の投資マネーが債券から株式へシフトする動きを加速させているようだ。

  世界のマネーが債券から株式にシフトしている背景には、世界的な景気回復期待が高まっていることや、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感が後退していることがある。そして日本では、一段の金融緩和強化による脱円高不況・脱デフレ不況に対する期待感、さらにTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加など大胆な規制改革を伴う成長戦略や、日本経済再生に対する期待感も高まっている。

  米国でも期待感が優勢のようだ。3月1日に歳出強制削減が発動したが、当面の影響は小さいという見方が優勢であり、3月27日に期限を迎える暫定予算失効問題、そして5月に到来する連邦債務上限引き上げ問題に対しても、現時点では特に警戒感が見られない。米国企業の業績が大幅に改善していることを好感するとともに、シェール革命によって「強い米国」が復活するとの期待が高まっているようだ。安価で大量のシェールガス・オイルが米国経済に与えるプラスの影響は大きい。米国の製造業が復活して雇用や所得の増加、設備投資や消費の拡大という好循環に繋がることが期待されるだけでなく、エネルギー輸出国への転換に伴う貿易収支改善や経常収支改善なども予想されている。さらに中東政策や国防費などに影響が及ぶ可能性も指摘されており、期待は高まる一方だろう。

  つまり、米国のサブプライム・ローン問題やリーマン・ショック後の世界的な金融危機からの立ち直りだけでなく、停滞していた日本経済はもちろん、米国経済も構造的な変革・再生に向かうとの期待感が高まっているようにも見える。欧州でも債務危機問題に対する警戒感が後退して、ドイツや英国の株価指数は堅調に推移している。日本では日経平均株価1万3000円台、米国ではダウ工業株30種平均株価1万5000ドル台は射程圏とも言えるだろう。当面は世界株高が続きそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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