自動車など交渉参加条件定めたものでない 外相

2013年3月12日 07:06

 岸田文雄外務大臣は11日の衆議院予算委員会で、さきの日米首脳会談におけるTPPに関する日米共同声明に記された「自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処し」とあることについて「これまでもさまざまな関心事が協議されてきたが、日米間で今後も協議を継続していくという趣旨であり、当然、米国は協議が進むことを期待していると思うが、少なくとも交渉参加するまでに、これをやらなければ交渉参加は認めないなどといった条件を定めたものではないと認識している」と答えた。

 これは民主党の玉木雄一郎議員が「TPP交渉への参加を認めてもらうために事前に譲歩するいわゆる『前払い』になっているのではないか、自動車などの分野で一定程度の譲歩を確認したうえでの参加ということではないのか」と質したのに答えたもの。

 また、菅義偉官房長官はTPPに参加した場合の国内産業に与える影響などの政府統一試算についての公表時期について「しかるべき時期に政府として責任をもって公表させていただきたい」と述べ、政府の統一試算を示すことを改めて語ったが、その時期については示さなかった。

 玉木議員は「安倍晋三総理が交渉参加を表明する前に、政府統一試算を公表すべきだ」と求めるとともに「交渉に参加するかどうかは政府の決定専権事項であり、総理が最終的に判断されるものだが、だからこそ丁寧な情報開示と国民に対する説明を必ず行っていただきたい。丁寧に進めていかなければ国益にかなうものにならない」と国民への丁寧な説明を強く求めた。(編集担当:森高龍二)

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