ロシアの科学衛星BLITS、中国の衛星破壊実験によるデブリと衝突
2013年3月11日 12:51
KAMEDA,Tsukasa 曰く、 アナリティクカル・グラフィックス社(AGI)の研究部門CSSIのblogによれば、2009年に打ち上げられたロシアの小型衛星BLITS(Ball Lens In The Space)が中国の風雲1号C(FY-1C)由来のデブリと衝突したようだ(CNNの記事)。
ご存じの通り、1999年に打ち上がられたFY-1Cは2007年1月に行われた衛星破壊実験により破壊され、約3000個のデブリを発生させている。今年1月22日7時57分(UTC)頃にBLITSの軌道と姿勢に変化が生じ、試算の結果FY-1Cによるデブリの一つが同日3時8分に接近してたことが判明し、またこの時期に接近した物体はこれだけであることから、BLITSの軌道と姿勢の変化はこのデブリによるものと結論づけている。
BLITSはGLONASSやGallileo衛星に搭載されているリフレクタなどを製造する公開株式会社「科学生産企業・精密機器システム」(ОАО НПК СПП)により製造された7.5kg、直系170mmの小型科学衛星で、地球科学等の研究のためのSLRデータの修得や、ルネベルグレンズの原理による逆反射体を搭載した衛星コンセプトの実証のための衛星であり、測定エラーは0.1mm以下らしい。また、衝突により新たなデブリが生じた模様。
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