年内に登場する「PS4」は、SNSやクラウドとの連携を強化
2013年3月9日 20:14
先月、アメリカ・ニューヨークで開催された「PlayStation Meeting 2013」の席上において、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)が、かねてから噂されていた同社の次世代マシン「プレイステーション4」(以下、PS4)を2013年末に発売することを目標に開発をすすめていることを公式に発表した。現在、同社の主力商品である「プレイステーション3」(以下、PS3)は、2006年に発売されたもので、PS4は実に7年ぶりの新機種となる。
「PlayStation Meeting 2013」で明らかにされたPS4の特徴としては、SNSやクラウドとの連携を強化したものとなるとのこと。SNSとの連携機能が組み込まれ、スクリーンショットやプレイ中の動画をユーザー同士で手軽にシェアしたりといった楽しみ方ができる。また、PS3をはじめとする、これまでのプレイステーションソフトはPS4と互換性がなく、使用できなくなってしまうので、一部のPSユーザーからは不満の声も上がっているが、昨年買収したGaikai Incのクラウド技術を活用し、「PlayStation Network」を経由して、PS3のタイトルをプレイすることも可能になるという。そうようなクラウドネットワークの連携機能も強化されたこともPS4の最大の特徴の一つだろう。
スペック面でも大幅な変更が加えられている。従来機種のPS3では、メインプロセッサーに、PowerアーキテクチャベースのCell Broadband Engineを搭載していた。しかし、これがPCゲームからの移植を手間取らせる大きな原因となっていた。しかし、今回のPS4では8つのx86―64アーキテクチャーのCPUコアと、1.84Teraflopsの演算能力を備えたAMD RadeonベースのGPUを搭載したカスタムプロセッサーが採用されている。よりパソコンに近いx86系のプロセッサーに切り替わったことで、PCゲームからの移植や開発が、これまでよりもスムーズに行えるようになるという。
また、専用コントローラー「DUAL SHOCK4」も、従来品のコンセプトを踏襲しながらも、前面にタッチパッドを搭載したり、高感度6軸検出システムやヘッドホンジャック、ソーシャルインタラクション機能を持つSHAREボタン、コントローラー上部にLEDを配置したライトバーを新搭載するなど、数々の新しい機能を備えている。他にも、PS4専用カメラ「PlayStation 4 Eye」や、スマートフォンやタブレット端末をセカンドスクリーンとして使用できる専用アプリケーション「PlayStation App」の提供も予定するなど、遊びの幅を広げる仕様となっている。
今年末の商戦では、昨年発売された任天堂の新機種「Wii U(ウィー・ユー)」や、米マイクロソフトが年内にも発売するとみられている新型機と、そしてこのPS4で、三つ巴の戦いが繰り広げられることになりそうだ。しかし、最近のゲーム市場のニーズは、PSやWiiなどの据え置き型から、PCを使ったインターネット経由のオンラインゲームに移行しつつあるようだ。各社の新機種の売れ行きによっては、今後のゲーム業界の未来図が見えてくるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)