【銘柄診断】ラクーン株価が上値追いの構え、好業績背景に09年の13万円も

2013年3月7日 09:54

<業績&株価分析>

 ラクーン<3031>(東マ)に注目したい。衣料・雑貨分野の企業間電子商取引サイト「スーパーデリバリー」を運営している。今期(13年4月期)好業績見通しを支援材料として、株価は上値を追う展開が期待されるだろう。

 2月27日に発表した第3四半期累計(12年5月~13年1月期)の連結業績は、売上高が前年同期比8.0%増、営業利益が同23.3%増、経常利益が同26.8%増、純利益が同13.5%減だった。本社移転費用を特別損失に計上しているため最終減益だが、主力のEC事業で会員小売店が順調に増加し、本社移転に伴う家賃負担軽減なども寄与して増収営業増益だった。

 通期見通しは前回予想を据え置き、売上高が前期比9.9%増~13.2%増、営業利益が同14.3%増~21.4%増、経常利益が同12.8%増~20.3%増、純利益が同0.9%増~10.1%増のレンジ予想としている。EC事業で「スーパーデリバリー」の利用が増加基調であり、新規分野の締め支払い決済サービス「Paid」サービスの加盟企業も順調に増加している。人件費などの先行投資負担を増収効果で吸収する模様だ。通期予想(レンジ予想の中間値で算出)に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が80.6%、経常利益が83.2%、純利益が67.0%である。サイト利用が拡大基調であること考慮すれば、営業利益は上振れの可能性がありそうだ。

 株価の動きを見ると、やや乱高下する場面もあるが強基調を継続して水準を切り上げている。2月25日には10万8000円まで上昇して10年5月の10万円を突破した。その後も概ね高値圏の10万円近辺で推移している。好業績見通しを評価する動きだろう。3月6日の終値9万7000円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPSの中間値6331円90銭で算出)は15~16倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS6万7498円40銭で算出)は1.4倍近辺となる。

 日足チャートで見ると25日移動平均線近辺、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドを継続している。10年4月の11万4000円は射程圏であり、好業績見通しを評価して上値を追う展開が期待されるだろう。09年8月の13万円も視野に入りそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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