【銘柄診断】トヨタ自動車は比較感で高値更新が予想されるも3月中の本格相場は難しい

2013年3月7日 09:50

  トヨタ自動車 <7203> (東1・売買単位100株)は、去る、2月12日につけた高値5050円から4%強下げた4830円前後にある。この間、TOPIX(東証株価指数)が約3%の値上りとなっているのに比べると、この1ヶ月のトヨタは冴えない展開である。

  これは、(1)昨年秋から全般相場に対し先行して上げていたことの反動、(2)円安の進まないこと、(3)同社株に対し2月の時点で強気が増え、信用買残が急膨張した、などが考えられる。

  とくに、2月の時点では、しばらく投資を休んでいた人や新しく投資を始めた人などが、「トヨタ以外に安心できる銘柄はない」といった雰囲気だった。すぐに7000円へ駆け上がるという観測が駆け巡った。リーマンショックなどの不況を乗り越えてきた投資家には目先は絶好の利益確定売りの場に映ったものとみられる。

  ただ、高値からほぼ1ヶ月が経過し、思ったほど下げないという感触の出ていることも事実だろう。去る、2月27日には4600円まで下げ、ヒヤリとさせられた場面はあったものの30日線は割り込まなかった。チャートでは上昇基調をキープしている。

  しかも、金融、倉庫、不動産といった銘柄が次々と買われてきたことでトヨタの出遅れ感も台頭している。  このため、野球の打順が元に戻るようにマーケットの物色も再度、トヨタに戻る可能性はありそうだ。ただ、信用買残の多さ、為替の小動き、さらに3月という特殊月を考え合わせれば、よほどの円安とならない限り、反発相場の域は出ないのではないか。5050円を若干、上抜く可能性はあるだろうが、7000円を目指すような相場は3月中はまだ無理だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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