今年は「温度差就活」。都市と地方、SNS利用など多様化する就活生
2013年3月3日 11:20
マイナビが発表した「2014年卒の就活キーワード 」は、「温度差就活」だった。就活を始める時期や地方と都市、またSNSの活用法などをめぐって、学生間にさまざまな「温度差」が広がっているという。
昨年度から経団連の倫理憲章が変わり、企業が採用活動にかける期間は短くなった。昨年「出遅れた」反省を活かし、今年はセミナーなどの開催時期を早める企業が多いという。こうした動きに対応して早くから動く学生と、そうでない学生との間でまず「温度差」が広がっている。
企業の採用動向は昨年と比べ、回復しつつある。加えて12月スタートの就活に慣れ、焦りが減ったためにのんびり構える学生が多いのかもしれない。「内定を取る自信がある」学生は43.9%から49.6%に増加した。
地方と都市部の学生にも「温度差」がある。12月と1月に個別企業のセミナーに参加した回数は、関東の学生が最も多く11.7回、次いで関西9.4回、東海5.6回、その他地域で4.4回。関東と地方の就活生では最大で2倍以上の開きがある。一方でまだ就活が始まって数ヶ月なのに、「その他地域」の学生が交通・宿泊にかけた費用は関東の学生の約1.8倍。都市と地方で大きな差がついており、こちらは「温度差」というより「格差」といった方が分かりやすい。
最後の「温度差」はSNSの活用だ。2011年は「ソー活元年」といわれたが、実際には6割の学生が「あまり活用していない」「利用の予定がない」など意見が割れている。企業への自己PRのためにフェイスブックやツイッターなどを利用する学生は少数派。多くは企業ページの閲覧や就活仲間との交流にとどまっている。
このように学生は地方と都市、SNSの使い方などをめぐって多様化しており、彼らの就活を「ソー活」や「セカ就」(海外を意識した就職活動、2012年にリクナビ提唱)といった単一のキーワードでまとめることはできない。「温度差就活」とは、このような現状を上手く言い当てた言葉でもある。