出遅れ株買いは3月上・中旬までか、売方の攻勢に注意を=犬丸正寛の相場展望

2013年3月1日 15:57

  日経平均は1万1600円台に買われ1万2000円に手の届くところまで来ている。ただ、2月7日の出来高51億株をピークに最近の出来高は30億株超の水準まで減少、ひところの、「全員が熱くなった相場」ではなくなっている。とくに、相場の支えとなってきた円安がここに来て1ドル・92~93円と円安が止まっていることが大きい。

  実際、1ドル・94円台へ円安となった2月11日に円安関連銘柄はピークをつけている。たとえば、2月12日に5050円の高値をつけたトヨタ自動車(7203)は、27日には4600円まで売られ、危うく30日線を切りそうになった。戻してはいるものの、「外国人投資家といえども急増した信用買残を肩代わりしたくないはず。再度の円安がない限り上値は難しい」(中堅証券)という状況だ。

  「相場基調そのものは強いことから、短期筋は折角のチャンスは逃したくないとの思いでシコリが少なく、上値圧迫感のない内需関連で稼いでいる」(同)という。このところ新高値銘柄の大半は内需関連であることも物語っている。

  こうした輸出株から内需株への乗り換え相場は3月上旬、長くても中旬までだろう。内需株には信用買いのシコリはなくても、3月期末を控え法人筋には絶好の売り場となる可能性があるからだ。3月上・中旬に日経平均が1万2000円をつけて高値となるの可能性もあるだろう。

  とくに、出遅れ銘柄が人気となるときは、過去の例でも往々にして悪材料の出ることが多い。アメリカの強制歳出削減、イタリアの財政問題などは片付いていない。マーケットには、買方の反対側には、常に、売方のいることを忘れてはいけない。「春一番の嵐」を狙ってそろそろ売方が空売り攻勢を仕掛けてくる可能性がある。基調は強いのだから新規買いは突っ込み狙いに徹するところだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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