レーダー照射 二度と無いよう強く求めると総理

2013年2月28日 10:02

 安倍晋三総理は27日の参議院予算委員会で中国艦艇による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射について質され「中国側の意図は定かでないが、意図如何にかかわらず、不測の事態を招きかねない極めて危険な行為であり、遺憾だ」と改めて遺憾の意を表明した。

 安倍総理は「この事案を受けて、速やかに中国側に抗議し、遺憾の意を表明した」とも語り、あわせて「再発防止を強く求めた」と答えた。

 そのうえで「海上保安庁、自衛隊も相当、厳しい緊張感の中で職務を遂行してくれていると思う。政府としては、レーダー照射が二度あったことを極めて深刻に受け止めており、中国が二度とこうした行動を取らないように強く抗議したいと思う」と再発防止に、より一層、中国に自粛を求めていく考えを示した。

 民主党の福山哲郎元内閣官房副長官の質問に答えた。福山議員は「1月19日(ヘリに対する照射)と1月30日(護衛艦に対する照射)の2回にわたりレーダー照射があった。当時は相当緊迫した状態が自衛隊員の間に走ったと思う。これは威嚇にあたるのではないかと思う」と語り、これに対する総理の受け止めを聞くとともに、「1月30日の事案が総理に伝わったのが2月6日になったことは問題だ」と質した。

 小野寺五典防衛大臣は「1月19日の事案はすぐに、わたしどもに報告が入ったが、1月30日の事案は2月5日に入った。この間の経緯としては、しっかりした情報をとって確実なものとして報告するよう事務方に指示していたためで、今後は、総理からも指示があったが、速やかに政治レベルにあげるように指示している」と答えた。

 また、小野寺防衛大臣は「(照射の事案は)本当に大変なことだと思ったが、非常に特異的なことなので、本当に間違いないか確認した。わたしどもに報告があがってきたのは、データを解析したうえで報告しようということになったのだと思っている。今後、このようなことのないようにしっかり指導していく」と語った。

 また「対外的に抗議をするにしても、大変重い課題になる。そのため、証拠を固めてからの対応になる」と慎重な姿勢をとらざるを得なかったことに理解を求めた。(編集担当:森高龍二)

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