【銘柄診断】証券株に手数料、ディーリングの増加に加え「第3の材料」効果
2013年2月27日 11:25
<マーケットトーク>
極東証券 <8706> は、8円高で寄り付いたあと22円安の1210円と下げ3日ぶりに反落。今年2月12日につけた昨年来高値1298円を前に利益確定売りが交錯、高値でもみ合っている。昨年来高値更新は、昨年11月以来、「アベノミクス」効果を享受して急速な円安・株高、株式市場の活況が続く、「アベ・トレード」で、同社業績が大幅続伸していることから割安株買いが増勢となったものだが、きょうのもみ合い場面でも、日本取引所グループ(JPX) <8697> (東1、JQS)が、きょうも330円高の7320円と4営業日続伸し、連日の上場来高値更新となっていることに関連、「第3の買い材料」が取り沙汰されており、再騰展開への期待を高めている。
第1の材料は、同社を含めた証券株は、典型的な市況産業として株式市場の売買高急増で受入手数料が増加していること。そして、第2の材料が自己売買部門のトレーディング損益も大幅に改善していることだ。決算開示そのものは、四半期ベースとなり通期予想は市況次第として未定としているが、同社が今年1月30日に発表した今3月期第3四半期業績は、純利益が、26億3200万円(前年同期比2.1%増)と大幅続伸、これを受けて株価は、昨年来高値まで300円高した。
そして、ここに来て証券株にJPX関連の「第3の買い材料」が急浮上してきた。JPXは、東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合して、今年1月4日に上場されたが、これに先立って東証では2001年の株式会社化とともに、会員証券会社107社に一律に2万株の東証株式が割り当てられたが、これが買い材料として急浮上してきた。JPXは、1月4日に3740円で初値をつけたあと、前日26日昼休み中に自己株式消却(発行済み株式総数の24.69%)と株主優待制度の拡充(クオカード3000円券の贈呈)を発表、株価は、きょうの上場来高値まで続急伸しており、この含み益が発生してくるからだ。
この含み益がどのくらい大きいかは、ヤマタネ <9305> が、系列証券会社の金山証券を解散、同子会社の東証保有株に15億3000万円の投資有価証券売却益が発生したと今年1月7日に発表しており、JPXの株価は、この時点から85%高していることからも明らかである。
証券株は、「アベ・トレード」の申し子としてさらに活況が続きそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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