住宅用蓄電池① 蓄電池の普及を後押しする補助金制度は平成26年まで

2013年2月25日 08:16

 一般住宅に向けた蓄電池の開発は、2010年頃からすでに行なわれていたが、実際に注目を集めることになったのは、皮肉にも11年の東日本大震災以降である。

 当初から、太陽光発電と相性の良い蓄電池は、エコや省エネをコンセプトにした新築住宅にソーラーパネルと併設して提案する販売方法が注目を集めていたが、震災以降、普及のスピードが一気に加速しているかたちだ。

 蓄電池とは、その名の通り「電気を蓄えておくシステム」のことで、これを使えば、従来はストックしておくのが難しい電気を蓄えておいて、必要なときに使用することができる。つまり、蓄電池があれば、災害時や緊急時など、万が一の時に停電や送電が遮断されたとしても、緊急用に電化製品を利用することができるのだ。

 また、料金の安い深夜電力を蓄えておいて、昼間に放電するピークシフトを図ることもできる。ただし、家庭用に用いるには少し高額で、販売メーカーや容量や機能などによって差はあるものの、安くても数十万円、高いものだと数百万円もの金額にもなってしまう。

 さらに、これまで普及を妨げていたのは、値段の問題だけでなく、太陽光発電でも同様の役割を果たすことができることがある。そんな理由もあって、新築のときに当座の出費を抑えようとすると、太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池なら、ソーラーパネルを選択する家庭が圧倒的に多いのだ。ところが、ソーラーパネルだけでは、悪天候の時や太陽が出ていない夜間の時間帯には、十分な発電ができない。結局のところ、太陽光から発電して、さらに蓄電することもできる、蓄電機能付の太陽光発電システムが最も便利で安全といえる。

 値段の問題も、高価なことには変わりがないものの、電力供給対策の一環として、一般家庭及び事業所等で定置用リチウムイオン蓄電池に対して本体価格の1/3に当たる額の補助を受けられる。補助金の対象者は、日本国内の法人、個人、及び、これらに貸与する法人(リース会社、新電力(PPS)事業者等)で、補助の対象となるシステムは、まずひとつに蓄電部がリチウムイオン蓄電池であること、二つ目にインバーター、コンバーター、パワーコンディショナー等の電力変換装置を備えたシステムとして一体的に構成された補助対象機器であること。この2点を満たし、かつ、第三者である指定認証機関により、安全性が認められた機器であれば、補助対象となる。

 これらの機器を導入した際に、経済産業省を代行して一般社団法人環境共創イニシアチブより、補助金が支給される。ただし、公募制となっており、平成2年3月30日~平成26年3月31日までの期間で、総予算210億円の範囲内で実施されている。申請の合計金額が予算額に達した場合、補助事業期間であっても事業は終了してしまうので、検討する場合は急いだ方が良いだろう。また、購入前に必要となる予約申請をしなかったり、予約決定通知送付前に設置してしまった場合には、補助の対象外となってしまうので注意が必要だ。(編集担当:藤原伊織)

関連記事

最新記事