今国会で国内法整備しハーグ条約批准へ 総理

2013年2月24日 17:26

 安倍晋三総理は国際結婚が増えている状況を踏まえ、国内法を整備し、ハーグ条約を今国会で批准したい考えを日米首脳会談後の記者会見で示した。G8では8ヵ国中、日本のみが加盟していない。政府はハーグ条約批准にむけた準備を従前から進めていた。一方、批准に懸念を示す団体からはアメリカの加盟要請に歩み寄ったとの受けとめもある。

 ハーグ条約は国際的な子の奪取についての民亊上の側面に関する条約の略称で、一方の親が国境をこえて子どもを連れ去った場合に、この子どもがもといた国に即時に戻すことを国どうしで約束する。また、国境をこえたところの親と子が面会できない状況を改善するため、親子が面会交流できる機会を得られるよう締約国が支援することを定めている。

 子を連れ去られた親から申し立てが行われると裁判所は、(1)連れ去られて1年経過し、子どもが新しい環境に適応していることが証明されたとき(2)連れ去られた親の方の同意や事後の黙認があるとき(3)子どもの返還で子どもに危害が加えられたり、許しがたい状況に子どもが置かれる重大な危険があるとき(4)子どもが返還に異議を述べ、これを考慮に入れるのが適切な程度に子どもが成熟していると認めたときなどを除いて「返還命令を行うこととなる」。

 ただ、条約批准に反対している団体などでは「これらの規定があっても、証拠が十分でなければ返還を阻止することはできない」「家庭内暴力から子どもや自身を守るために帰国したのに、子どもがもとの居住地に戻される」と懸念する。

 このため、政府は批准のための法整備、関連する法整備に取り組んでいる。(編集担当:森高龍二)

関連記事

最新記事