ケーブルテレビでもスーパーハイビジョンが視聴可能に、NHKが伝送実験に成功

2013年2月19日 21:05

 次世代の高臨場感放送システムとしてスーパーハイビジョン(SHV)の研究開発を進めている日本放送協会(NHK)は、SHVを家庭に届けるためにこれまで衛星および地上伝送実験を実施してきたが、今回新たにケーブルテレビでSHVを配信可能とする伝送方式を開発し、株式会社日本ネットワークサービス(山梨県甲府市)と共同で伝送実験に成功したと、19日発表した。

 SHVはハイビジョンの16倍の画素数であるため、現在のケーブルテレビの1チャンネルでは伝送容量が不足する。そこで今回、いくつかの空きチャンネルを用いてSHV伝送を実現する複数搬送波伝送方式を新たに開発した。

 複数搬送波伝送方式は、ケーブルテレビ局(送信側)でSHV信号を分割し、複数のチャンネルで伝送、受信機(受信側)で同期して合成する技術。現行のケーブルテレビ施設の構成を変更することなくSHV信号を伝送することができる。

 今回NHKと日本ネットワークサービスは、実際に山梨県で運用しているケーブルテレビ施設を使用し、複数の空きチャンネルを用いて圧縮符号化したSHV信号を伝送できることを確認した。

 NHKは今後も、SHV放送の早期実現に向け、伝送方式をはじめ圧縮、蓄積、表示など多岐にわたる技術について開発を加速していく方針。

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