次亜塩素酸ナトリウムを使った首から下げる「空間除菌剤」、消費者庁が使用中止を呼びかけ
2013年2月19日 17:25
90 曰く、 「空間除菌剤」などとして売られている、首から下げる次亜塩素酸ナトリウム除菌剤について、化学やけどの事例が発生しているとして、消費者庁から2月18日付で使用中止の呼びかけがされている(消費者庁のニュースリリースPDF)。
問題となっている製品は株式会社ダイトクコーポレーションから販売されている「ウイルスプロテクター」で、付属ストラップで社員証や身分証のように首から下げることで「30日間にわたって付近のウイルスを除菌する」とうたっているもの。消費者庁によれば、内部には不織布に包まれた錠剤が入っているという。消費者庁ではこの錠剤が強酸性の薬剤を含むことを確認しており、実験によってその成分が皮膚に障害を与えると推測している。
リリースによると、製品をかけた人に抱かれていた幼児が重症皮膚炎を起こす、衣類の上からかけていてII度のやけどを負うなど複数の化学熱傷の情報があり、この製品の使用中止を呼びかけている。
MSN産経ニュースによれば国内で70万個以上が販売されており、厚生労働省が同社に自主回収を指導する予定という。次亜塩素酸ナトリウムは8%程度に薄めて漂白に、2%程度で殺菌に使われ、塩素系漂白剤の主成分として広く使われている。
なんか秋葉原でも売られていたようなので、/.Jer諸氏もかけている人を見かけたら教えてあげるといいかもしれません。
なお、あるAnonymous Cowardのタレコミによると、据え置き式の空間除菌剤でも過去に問題が出ていたという。
あるAnonymous Coward 曰く、
国民生活センターによると、2010年の調査の結果、据え置き型の二酸化塩素を放散する製品合計9銘柄について検査したところ、6銘柄で二酸化塩素の放出がわずかであったと言う。
一方、二酸化塩素ガスの放出量が多過ぎ、業務で短時間暴露する場合の限界をも超える製品もあったという。当然、体調不良などの苦情が寄せられた事例もあるとのこと。さらに、全メーカーで実際の環境における殺菌効果が未確認であったともいう。
ただし大幸薬品については、その後厳密な条件であるか否かは定かではないものの、効果と安全性の確認はしているようである。
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