高値波乱時は権利付きプラス・アルファの株式分割銘柄に注目=浅妻昭治

2013年2月19日 11:41

<マーケットセンサー>

 「ハシゴを外される」、「振るい落とされる」……投資家がもっとも恐れる投資結果である。高値で飛び付き買いをして、熱気が冷めて見渡したら、足元は奈落の底を覗いている。足が竦んで目をつぶって飛び降りるどころではない。腰が抜けてワナワナと震えるばかりである。「失われた20年」の悪夢が蘇り、塩漬け株がまたまた積み上がる悲劇が思い起こされることになる。

 今回、日経平均株価が、2月6日に4年4カ月ぶりの高値、リーマン・ショック後の最高値1万1498円まで買い進まれあと、突然、1万1000円台割れ寸前まで急落した高値波乱場面では、さぞかし肝を冷やされた個人投資家も多いのではないか?「アベノミクス」への期待が、急速な円高修正と株高の進行、一部主力輸出株の業績上方修正などで確信に一変して、個人投資家が大挙して株式市場にカムバック、外国人投資家への対抗勢力として急浮上して、大幅な買い越しをしたからだ。

 高値波乱は、1ドル=94円台まで進んだ円高修正が、為替操作、通貨安競争として欧州、新興国諸国から槍玉に上がり、為替レートは92円台まで円高反転し、「リスク・オン」の積もりが、「リスク・オフ」へ逆戻りする懸念が強まったことが背景である。

 幸い2月15~16日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、日本が円安を誘導しているとの名指しの非難は避けられ、「アベノミクス」もデフレ不況脱出のための経済政策と認知され、週明けの為替相場は、これに安倍晋三首相の外債購入を示唆する国会答弁も加わって再度、円高修正となり、日経平均株価も急反発した。ただG20での共同声明では、「為替レートの無秩序な動き」、「通貨の競争的な切り下げ」を回避する牽制球も盛り込まれており、なお今後も、日本の金融緩和策の影響を懸念し、内外の要人発言で為替レートが乱高下することへの警戒感は残る。

 これは要するに為替相場の適正レートに関して今後、いつどの水準までの円安なら許されるかの条件闘争に変わったことを意味するはずだ。株式市場のマジック・ナンバーとなった「1ドル=100円」が許されるのか、新しい日銀総裁を選任しつつ瀬踏みすることになる。

 となれば株価も、この為替相場次第で上げ下げ、波乱が続くことになり、銘柄によっては、高値から「ハシゴを外される」まま推移する銘柄の少なくないことも推定される。個人投資家主導で高値を取ったマツダ <7261> やみずほフィナンシャルグループ <8411> が、今後を占うシンボル株として注目されることになる。この動向次第では日経平均株価は、輸出主力株の反発で再度、高値追いとなるものの、個別銘柄では塩漬け株続出とならないとも限らない。

 これをトータルに評価すれが、投資アノマリーの「節分天井、彼岸底」の相場展開ということになる。再度の高値波乱、値幅調整で彼岸底となるか、高値もみ合い継続の日柄調整で彼岸底となるかはともかく、となればここは正攻法一辺倒ではなく、シノギの投資スタンスも一考余地があることになる。このシノギ銘柄として要注目なのが、この2月25日に株式分割の権利付き最終日を迎えるプラス・アルファのある株式分割銘柄で、この権利落ち安値を彼岸底に高値を取って行く展開も想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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