英企業が「Python」の商標をEUで出願

2013年2月16日 13:32

英国の会社が「Python」の商標権を主張し、欧州共同体商標の登録を出願したそうだ。Python Software Foundation(PSF)では、これに対抗するため、EU内の企業などに協力を呼び掛けている(PSFのブログ記事The Guardianの記事本家/.)。

この会社は13年前にドメイン「python.co.uk」を取得。当時は商標問題もなかったため、Python Software Foundationでは差し止めなどの対応はしなかったそうだ。同社では長い間親会社にアクセスを転送するだけだったが、その後親会社のVeberがサーバー製品の名称として「Python」を使い始めた。この件についてPSFは話し合おうとしたが、python.co.uk側の回答は欧州共同体商標の出願だったという。出願内容はソフトウェアやサーバー、Webサービスについて、同社による「Python」の名称の排他的な使用権をEU全域で主張するものとのこと。

これに対してPSF側は、EU域でPythonが広く使われてきたという証拠を欧州共同体商標意匠庁に提出する意向だ。証拠を集めるため、PSFではPythonを使用するEU域内の企業などに対し、会社の便箋にPythonの使用状況などをまとめた手紙の提供を求めているほか、EU域内で発行された「プログラミング言語としてのPython」に関連する出版物などの提供を求めている。PSFがPythonの知的財産を守るために法的手続きを行うのは初とのこと。

なお、今回の件との関連は不明だが、ストーリー掲載時点では「python.co.uk」にアクセスすると「python.org」にリダイレクトされる。また、親会社とされるVeberのWebサイト(veber.co.uk)はダウンしているようだ。 スラッシュドットのコメントを読む | デベロッパーセクション | 英国 | YRO | EU | デベロッパー | Python

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