スペースシャトル「コロンビア号」の空中分解事故から10年

2013年2月4日 15:00

  2013年2月1日、スペースシャトル・コロンビア(STS-107)の空中分解事故から10年が経過した。2月1日には、事故で亡くなった宇宙飛行士を追悼するための式典が、アーリントン国立墓地で開かれ、米航空宇宙局(NASA)のチャールズ・ボールデン長官や、アポロ計画のバズ・オルドリン宇宙飛行士らが参加した。

  2003年2月1日、16日間のミッションを終えたコロンビア号は帰還するため、大気圏へ再突入した。しかし、再突入してからわずか10分後、コロンビア号は空中分解を起こし、墜落した。搭乗していた7名のクルーは全員死亡し、宇宙開発史上有数の悲劇となった。

  事故の原因は、打ち上げ時に外部燃料タンクから脱落した断熱材の破片の衝突によって、左翼前縁部の耐熱システム(強化カーボン・カーボンパネル「RCCパネル」の8番付近)に亀裂が生じ、大気圏再突入時、この亀裂から超高温の空気が翼前縁部へ侵入し、左翼を溶かし、最終的に機体の空中分解を引き起こしたと見られている。

  この事故によって、再びスペースシャトルの老朽化と安全性が問われ、スペースシャトルの打ち上げも2005年7月26日、ディスカバリー号によるSTS-114ミッションまで再開されなかった。また、コロンビア号の事故以降、センサ付き検査用延長ブームやランデブー・ピッチ・マニューバ(RPM)による、軌道上での耐熱タイルの破損検査が行われるようになった。

  スペースシャトルは2011年7月に全ての飛行を終え、退役した。

 写真=NASA。

 ■Message from the Administrator: Day of Remembrance
http://www.nasa.gov/about/highlights/Bolden_dor2013.html

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