大日本印刷、マレーシアにフォトプリント記録材の工場開設 投資額50億円
2013年2月4日 14:37
大日本印刷(DNP)は4日、約50億円を投じて、フォトプリントなどに用いられる昇華型熱転写記録材の新工場をマレーシアのジョホール州に開設すると発表した。フォトプリントへの需要が高まっていることを背景に、特に成長が見込まれる東南アジアを中心としたグローバル市場への積極展開を図る。
同社によると、新工場は、2013年9月の竣工予定。工場を開設するジョホール州は、シンガポールに面したマレー半島南端に位置し、東南アジア各国への物流のハブとなる港湾が整備されている。
新工場の運営会社「DNP IMS MALAYSIA SDN. BHD.」は昨年7月に設立した。同社では、2016年度に約40億円の売上を見込む。
昇華型熱転写記録材は、熱転写プリント方式でデジタルカメラの画像などをプリントする際に使用される部材。滑らかな階調が得られ、銀塩写真と同等の高品位な写真プリントができることが特徴。また、高い耐久性を持ち、高速プリントが可能なことから、写真プリント用キオスク端末や証明写真などの業務用写真プリンターを中心に利用が拡大している。
DNPは1980年代後半に昇華型熱転写記録材の製造・販売を開始し、現在は、日本、欧州、米国の拠点を通じてフォトプリント事業をグローバルに展開している。
近年、デジタルカメラやスマートフォンなどの普及にともないデジタルフォトプリントの需要は世界的に伸びており、特に東南アジアの新興国では、行政に提出する書類に証明写真を貼付する必要があるため、フォトプリントのニーズが高まっているという。